2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500871
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
柿原 泰 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 准教授 (60345402)
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Keywords | 科学史 / 被爆者 / 放射線 / 疫学 / 遺伝学 |
Research Abstract |
原爆被爆者調査とは何だったのか、その社会的意味を科学史的に明らかにするため、本年度は、とくに原爆投下直後の日本側の原爆調査について重点的に調査し、検討を進めた。 すでに笹本征男著『米軍占領下の原爆調査』(新幹社、1995年)において、原爆投下直後から日本側が原爆調査に乗り出していたことは知られており、その調査結果は、アメリカに渡されたこともよく知られている。しかし、それらの調査についての科学史的研究はあまりなされておらず、その歴史的意味も未解明である。本年度の調査を進めていくうちに、例えば、原爆調査の中心人物である都築正男は、東京帝大教授であると同時に海軍軍医であったことの意味を考える必要性が生じ、軍事医学の歴史にも調査対象を広げることとなった。このことを含め、次年度以降に成果を出していく予定である。 なお、本研究を進めるにあたって、市民科学研究室の低線量被曝研究会メンバーに研究協力を仰いだ。8月には公開講座「戦時下の科学--ドキュメンタリー『よみがえる京大サイクロトロン』を見て」を開催し、3月には広島および長崎での現地調査を取り行なった。その他に毎月約1回(2008年度は、計12回)の研究会を開催した。
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Research Products
(3 results)