2009 Fiscal Year Annual Research Report
古文書および古典籍の修復と装幀形態に関する用語の研究
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20500885
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Research Institution | National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雅人 National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo, 保存修復科学センター, 研究員 (10415622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野邊 渉 東京文化財研究所, 保存修復科学センター, 副センター長 (00169749)
高橋 裕次 独立行政法人国立文化財機構, 東京国立博物館・学芸企画部博物館情報課, 課長 (00356271)
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Keywords | 文化財修理 / 書誌学 / 古文書学 / データベース / xml |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、用語に関する調査データをxml形式とすることを決定した。本年は、そのxmlデータを格納するためのxmlデータベースソフトの選定を行い、xmlデータベースサーバを立ち上げた。サーバはスタンドアロンを稼働させ、xmlデータの格納を始めた。 同時に、本年は文献資料の収集を推進、昨年に引き続き工房の取材調査を行い、情報の解析とデータの拡充を行った。 また、本研究では、修復に使用する材料と手法に関する科学的な分析を行うことを目的としている。古文書、古典籍の修復においては、補修に使用する紙を染色して使用することがある。これは、補修紙が鑑賞時の妨げとならないことが大きな目的であるが、そもそも文化財本紙が染められていた場合もある。このような場合、できれば補修紙においても、オリジナルと近い染料を用いることが期待されるが、時間を経た染料と新しい染料では色合いがことなるため、別の染料を混ぜたり、媒染方法を調整したりすることで、色の調整を行っている。本年は、この手法に関して調査を行った。また、その過程で、色のサンプリングのため人工劣化することで色を再現する実験を行った。作製した染め補修紙に関しては、その劣化度合いなどを分析し、紙への影響なども検討を行い、染色による補修紙作製の基礎的な知見を科学的側面から得ることができた。また、その過程において、新たな補修紙作製法として人工劣化が使用できる可能性が示唆された。
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