2009 Fiscal Year Annual Research Report
物理・化学特性に立脚した天然水中溶存有機物の分画とFT-ICRMSを用いた同定
Project/Area Number |
20510014
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
杉山 裕子 University of Hyogo, 環境人間学部, 助教 (40305694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 和秀 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 琵琶湖環境研究部門, 主任研究員 (80291178)
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Keywords | 環境分析 / 地球化学 / 陸水学 |
Research Abstract |
本申請課題は、従来その大部分が未同定とされてきた天然水中の溶存有機物を分子サイズ、疎水性-親水性、酸-塩基などの性質により分画し、それぞれの分画を超高分解能イオンサイクロトロン共鳴型質量分析器(FT-ICRMS)により網羅的に同定することにより、含まれる有機物の分子種や起源を明らかにすることを大きな目的としている。 2009年度は、溶存有機物の分離・精製法の検討を行うとともに、XAD固相抽出(IHSS法)により分離された琵琶湖溶存有機物のNMRおよびFT-ICR MS分析を行い、同じ試料をC18固相抽出法により抽出した試料との違いについても検討した。その結果、電気透析法は溶存有機物の透析膜からのコンタミネーションが深刻であり、溶存有機物の前処理として使用することは現状難しいことが分かった。また、^<13>C NMRスペクトルでは、糖のアノマー位の炭素が観測されるσ値70~110ppmで、C_<18>吸着DOMにおいてXAD吸着フルボ酸より明らかに大きなピークが観測され、C_<18>ディスクがXAD樹脂よりも多糖類の吸着捕集に優れているということが示唆された。また、FT-ICR MS測定結果から計算された、予想分子式の元素比を基に作成されたvan Krevelen Diagramによると、両試料はともにリグニン様物質を中心に構成されていることが示唆された。また、C_<18>吸着DOM試料には多糖類,縮合型炭化水素類が、XAD吸着フルボ酸試料にはタンパク様物質が加わっていることが示唆された。
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[Presentation] C18固相抽出法を用いた天然水中溶存有機物の分画に関する基礎検討22010
Author(s)
北野史子, 西本鷹耶, 和田千弦, 熊谷哲, 津田久美子, 白井秀門, 藤嶽暢英, 早川和秀, 島野淳, 丸尾雅啓, 杉山裕子
Organizer
日本陸水学会近畿支部会
Place of Presentation
大学サテライト・プラザ彦根
Year and Date
2010-03-07
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[Presentation] 固相抽出を用いた琵琶湖溶存有機物の化学分画に関する基礎的研究12009
Author(s)
北野史子, 西本鷹耶, 和田千弦, 熊谷哲, 津田久美子, 白井秀門, 藤嶽暢英, 早川和秀, 島野淳, 丸尾雅啓, 杉山裕子
Organizer
日本陸水学会第74回大会
Place of Presentation
大分大学
Year and Date
20090000
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