2009 Fiscal Year Annual Research Report
3次元マイクロ流路を用いた多検体超高感度の可搬式ELISA環境計測システムの研究
Project/Area Number |
20510015
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
内海 裕一 University of Hyogo, 高度産業科学技術研究所, 准教授 (80326298)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武尾 正弘 兵庫県立大学, 工学研究科物質系工学専攻, 准教授 (40236443)
根来 誠司 兵庫県立大学, 工学研究科物質系工学専攻, 教授 (90156159)
持地 広造 兵庫県立大学, 工学研究科物質系工学専攻, 教授 (40347521)
|
Keywords | 環境分析 / チップ分析 / 生体分析 / マイクロメカトロニクス / バイオリアクター / 反応流 |
Research Abstract |
本研究の目的は、代表者が提案したELISAマイクロ積層システムの高感度化と多検体化のための3次元集積化を検討し、システム内における全ての流路を同時駆動し、可搬式への展開が可能な超高感度で多検体分析可能なELISA環境分析システムを実現することにある。このシステムは、マイクロキャピラリー集合体の構造最適化、及び蛍光検出の適用によりさらなる感度向上が見込める。 分析時間を短縮し、分析の感度と精度を高めるためには、抗原抗体反応操作及び基質分解物などの反応生成物の検出を連続的かつ再現性良く行うことが重要である。今年度は、複数の被検物質及び薬液投入→混合→抗体固定化→反応→検出に至る一連の操作が1システム上で連続的に行われるための、液体保持、送液、混合、抗体固定化の効率的な制御方法として、各単位化学操作毎に対応した水平/垂直流路をCompact Disk内に配置し、遠心力で一括送液する3次元送液システムを検討した。数値流体力学解析(CFD)を用い、各単位化学操作に対応したCDの回転数で発生する遠心力で破断する平面型と垂直型のキャピラリーバルブを設計し、これを送液制御の基本デバイスとした。さらにビオフェルミンやマウスIgGの濃度測定のための競合法ELISAを想定した流路構成を設計し、ディープX線リソグラフィとUVフォトプロセスを用いて実際のCD型マイクロ積層システムを作製し、その送液特性を評価した。このCD型マイクロ積層システムは、分析のための流路ユニットを5つ集積したものであり、同時に5検体を分析しようとするものである。送液特性の評価には、昨年度作製した回転速度に同期したストロボと画像を取り込むためのCCDカメラからなる撮像装置を用いた。この結果、回転数のみの制御によって、各単位化学操作に対応した逐次送液を実現することに成功した。ただし、逐次送液を行う際の回転数は各分析ユニット間で最大200rpm程度ばらついていた。この原因として、キャピラリーバルブ部分の表面物性のバラツキや、送液時の乱流や微小泡の形成などが考えられ、これらの課題に対応した新たな流路設計が必要であるとの見解を得た。
|
Research Products
(5 results)