2010 Fiscal Year Annual Research Report
深部地下環境における物質移動に関するナチュラルアナログ研究
Project/Area Number |
20510016
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
本多 照幸 東京都市大学, 工学部, 教授 (30139414)
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Keywords | 深部地下環境 / 物質移動 / ナチュラルアナログ / 高レベル放射性廃棄物 / 地層処分 / 透水性 / 粘土鉱物 / マイナーアクチノイド |
Research Abstract |
平成22年度では、日本原子力研究開発機構(JAEA)における瑞浪超深地層研究所から深度300mステージにある、地下水水質観測ボーリング孔の東濃土岐花陶岩を用いて、X線蛍光分析法(XRF)により主要元素の定量を、X線回折分析法(XRD)により主要鉱物を同定した。それらのデータを用いて岩石の透水性と割れ目の多寡の関係でどのような鉱物が生成するのかを解明した。これによって、透水性と鉱物分布の相関性を把握し、マイナーアクチノイド(MA)等の放射性核種の挙動の解明に資することを目的とした。 その結果、以下の重要な知見を得た。 (1)健岩部と風化部での鉱物分布の違いをみると、主に風化部では方解石及び緑泥石が高いX線相対強度(XRD)を示し、またカオリナイトや一部でモンモリロナイトの存在を確認できた。したがって、健岩部と比べて粘土鉱物がより多く生成されていることが確認できた。 (2)透水性と鉱物分布の相関性は、加水分解によって生成されるモンモリロナイト、カオリナイト及び緑泥石等の鉱物が生成されている部分においては、これらの鉱物が確認できていないところと比べて、水が岩石中を多く流れていたと考えられるので透水性が高いと言える。健岩部と風化部の鉱物分布の違いから、風化部は健岩部よりも透水性が高いことが示唆された。 (3)本研究により、MAなどの放射性物質は粘土鉱物に保持されることが示唆されており、多くの粘土鉱物の存在が確認できた風化部では、MAなどの放射性物質が保持されるのではないかと予測される。
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Research Products
(4 results)