2010 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の代謝熱測定を利用した環境汚染気体のバイオアッセイ
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20510025
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田村 勝弘 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00093873)
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Keywords | バイオアッセイ / 代謝熱測定 / 酵母菌 / 加圧ガス / 加圧ガス / 石油ガス |
Research Abstract |
現有装置である「ガス加圧微生物代謝熱測定装置」を利用し、一連の天然ガスおよび石油ガスの主成分について、その相対的毒性を評価するバイオアッセイが本年度の主な研究内容である。一連の炭化水素ガス(C_1~C_4)加圧下で、代謝熱測定法により酵母の増殖挙動をモニタリング・解析し、その細胞毒性を定量的に評価した。各気体ごとに、50%増殖阻止圧力(IP_<50>:Inhibitory pressure 50)と最小増殖阻止圧力(MIP:Minimum inhibitory pressure)を決定した。その結果、炭化水素ガスの種類、異性体によって毒性が異なり、n^-ブタン>i^-ブタン>プロパン>エタン>メタンの順に毒性が大きいことが明らかになった。炭化水素ガスの毒性は、その疎水性との間に強い相関関係があったことから、炭化水素ガスが酵母の細胞膜などの疎水性領域に侵入するなど、生体膜に何らかの影響を与えているものと考えられる。また、紫外可視分光法による細胞内容物の定量により、炭化水素ガス加圧で、酵母細胞から核酸関連物質の漏出が確認された。すなわち、炭化水素加圧により核膜が損傷を受けていることが分かった。さらに、炭化水素ガス加圧による酵母の形態変化を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、細胞が変形、陥没している様子が認められた。これらの結果より、炭素数の少ない一連の炭化水素ガスは、細胞膜に強く作用していることがわかった。 今年度は新しいテーマとして、一酸化炭素ガス関連の毒性を調べ、いくつかの新しい知見を得た。この気体はヒトに対しは著しい毒性を示すが、酵母等の微生物にとっては、二酸化炭素よりも低毒性であり、明らかに毒性発現のメカニズムがヒトと微生物では異なることが分かった。
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Research Products
(2 results)