2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510031
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 和良 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境変動領域, 主任研究員 (90344308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬 燮銚 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (30344302)
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Keywords | 水循環 / 気候変動 / 洪水 / 自然現象観測・予測 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、現段階でモデルに十分反映されていない、河川氷と凍結土壌への融雪水浸透の過程の実験研究を中心に行った。 <凍土実験>凍結した試験体と未凍結の試験体を,それぞれ同じ飽和度で2個ずつ作った。その試験体に対して,低温室内の温度を-5℃,-2.5℃,0℃,ならびに2.5℃と変化させ,土壌通気性測定器(DIK-5001)によって通気係数を測定した.なお,未凍結の試験体は,氷点下以下の室温で凍結しないように,常温の室内に実験直前まで試験体を置いておき,実験時のみ試験体を低温室内に入れた。 異なる温度条件下での通気係数と試験体の飽和度との関係を示している。未凍結土では,温度が低いほど,通気係数が低下することが確認された。また,未凍結と凍結土を比較すると,凍結土では飽和度が0.1-0.3の間で急激に低下し飽和度0.5以上ではほとんど通気性が無くなるが,未凍結土では飽和度の増加と共になだらかに減少することが分かった。未凍結土で見られた通気係数の温度依存性は,凍結土ではほとんど見られなかった。さらにデータを蓄積することで,凍土の通気性並びに透水性に関する理論とモデルの構築を行っていく予定である。 <淡水結氷実験>水槽(幅1200mm、奥幅900mm、高さ750mm)で淡水(水深400mm)結氷実験を行った。 2009年11月30日午後5時30分、クーラー稼動開始。12月1日午前10時45分、実験室内の温度を-30℃に設定し実験開始。水槽に攪拌機を取り付け、午後11時まで、不連続で掻き混ぜる。12月2日午前9時、全面結氷(氷厚3cm)。片方の氷面に10cmの雪を覆って凍結実験を続く。12月3日午前9時、室内温度を-30℃から5℃へ切り替え、凍結終了。同日午後3時から強度500W/m^2の日射装置も稼動開始。12月4日午前9時に実験終了。 また,攪拌機を取り付け、水の動的な環境での結氷実験を行った。その結果、静的な環境での実験と比べ、最初の全面結氷のタイミングがやや遅れるが、その後の氷の成長には特に影響が見られなかった。
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Research Products
(2 results)