2008 Fiscal Year Annual Research Report
サウンドスケープデザインにおける住民の参加と主体性に関するフォーマル理論の構築
Project/Area Number |
20510045
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
西村 篤 Okinawa National College of Technology, メディア情報工学科, 准教授 (70413888)
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Keywords | 環境影響評価 / 環境政策 / 環境マネジメント / サウンドスケープデザイン |
Research Abstract |
【目的】本研究はサウンドスケープデザインに関して、その最も重要な特徴である「住民の参加と主体性」に着目し、環境マネジメント一般にも応用可能なフォーマル理論の構築を行なうことを目的とする。【具体的内容】本研究の全体的計画は、事例の調査(平成20年度)、領域密着理論の構築・検証(平成21年度)、およびフォーマル理論の構築(平成22年度)の3段階から構成される。平成20年度は当初の計画の通り、事例すなわち「平野の音博物館」(大阪市平野区)、「瀧廉太郎記念館」(大分県竹田市)および「長崎サウンドデザイン塾」(長崎県長崎市)の調査を中心に研究を行なった。まず、「平野の音博物館」について調査を行なうため平成20年9月18日から22日までの日程で現地調査を行なった。また、平成21年3月22日から28日までの日程で「瀧廉太郎記念館」(大分県竹田市)および「長崎サウンドデザイン塾」(長崎県長崎市)の現地調査を行い、関係者への聞き取りなどを実施した。【意義と重要性】いずれの調査においても、(1)事業における住民の参加とその重要性が確認できたこと、(2)行政の関与の大きさに関わらずしばしば無給のボランティアとして主体的に事業を支える住民の存在が確認できたことは、研究計画のモデルを裏付ける結果を得たことになり、意義が認められる。また、大分の事例において、事業主体である行政担当者の意識と、実際に事業を実質ボランティアとして支えている住民との意識の間に存在する大きな差異を新たに見出したことは、資料分析だけでは実現できなかったことであり、現地調査の意義として重要であった。なお、研究発表の項には記述できないが、これら平成20年度の研究成果については、平成21年8月にオタワで開催される国際会議(Internoise2009)において公表予定である。
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