2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタン光触媒作用と超臨界水処理の複合化によるバイオマスのガス化技術の開発
Project/Area Number |
20510079
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
米谷 紀嗣 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80295683)
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Keywords | 光触媒 / 水熱法 / バイオマス / エタノール / 酸化チタン / 水素 / メタン |
Research Abstract |
水熱ガス化法とは亜臨界〜超臨界状態の高温高圧水中においてバイオマスをガス化する技術のことである。本研究では、水熱ガス化法と、酸化チタン光触媒反応を複合化した新規プロセスを開発し、エタノールを原料とする水素およびメタンの生成について詳細な検討を行なった。その結果、以下に示す知見を得た。 光触媒として触媒学会提供の参照触媒(酸化チタン、JRC-TIO-4)と、これに光還元法で白金を担持させた白金担時酸化チタンを用いた。10%エタノール水溶液(200ml)に0.02gの触媒を懸濁し溶液を調製した。試料溶液をインテリジェントHPLCポンプにより流速0.5ml/minで高温高圧反応器(内容積1ml)に連続注入し、反応器内に設置した光学窓を通して、Hg-Xeランプを光源とする近紫外光(300-400nm)を照射した。反応器の温度を室温〜450℃の任意温度に調節し、背圧弁を用いて反応圧力を30MPaに設定した。発生した気体を気体補集器に回収し、水素とメタンの発生量をガスクロマトグラフィーで測定した。水素およびメタンの生成量は、反応温度の上昇とともに著しく増大した。触媒の存在、光の照射、白金の担持によっても、水素とメタンの生成量は概ね増大する傾向を示した。一方で、白金担持酸化チタンを触媒として用いた場合、光照射によってメタン生成量は増大するものの、水素生成量が減少する結果が得られた。また、光照射による気体生成量の増加は、水素よりメタンの方が高いことが分かった。これらの結果より、メタン生成のプロセスにフィッシャー・トロプシュ型反応が関与していることが明らかとなった。
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