2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属内包カーボンナノチューブの収束イオンビーム加工と新機能プローブ開発
Project/Area Number |
20510098
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 薫 Nihon University, 理工学部, 教授 (80139097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 浩一 日本大学, 理工学部, 准教授 (10297781)
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Keywords | 金属内包カーボンナノチューブ / 収束イオンビーム加工 / 新機能プローブ開発 / パルスレーザ堆積法 / 触媒金属微粒子 / 直流沿面通電熱分解 |
Research Abstract |
金属内包カーボンナノチューブを生成するための触媒金属微粒子として、従来は強磁性の機能を有する鉄(Fe)やコバルト(Co)及びニッケル(Ni)をパルスレーザ堆積(PLD)法により基板上に成膜させていたが、本年度は新たな機能を有するプローブを目指して新規の金属微粒子を堆積した。発光機能としては酸化ランタン(LaO)や硫化銅(CuS)の合金を、光検出機能としてはダイヤモンド状炭素(DLC)にリン(P)や棚素(B)を添加し、光触媒機能としてLa添加酸化チタン(La2Ti207)などの微粒子を基板上にPLD法やイオンビーム蒸着法で堆積させ、それらの機能の発現や特性を実験的に検討している。これらの触媒微粒子を堆積させたシリコン(Si)基板にエタノール中で数十[A]の直流沿面通電を行い、表面温度が600-1000℃において直径数十nmの球状・円柱状・針状炭素が熱分解によって生成することを走査型電子顕微鏡によって確認した。これらを収束イオンビーム加工して切片を作り透過型電子顕微鏡で観測したところ、グラフェンシートの積層構造であることが判明したが、触媒金属の内包は認められなかった。またラマン分光分析の結果において、これらはダイヤモンド状炭素と同様のラマンスペクトルを示すことが判明した。エタノール中に硫黄を添加して直流沿面通電による熱分解法で球状・円柱状・針状炭素を生成すると、その生成量は飛躍的に増加し成長促進効果が認められた。直流沿面通電時の温度を600℃以下にすると球状・円柱状・針状炭素は通常生成しないが、アルゴンイオンレーザを照射するとその位置に球状・円柱状・針状炭素が限定的に成長し、波長の依存性もあることを実験的に確認した。これらの結果は国内の学会や国際会議で報告し、現在Applied Surface Scienceに投稿中であり、“accepted for Publication"の連絡を受けている。
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