2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属内包カーボンナノチューブの収束イオンビーム加工と新機能プローブ開発
Project/Area Number |
20510098
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 薫 日本大学, 理工学部, 教授 (80139097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 浩一 日本大学, 理工学部, 教授 (10297781)
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Keywords | 金属内包カーボンナノチユーブ / 収束イオンビーム加工 / 新機能プローブ開発 / 直流沿面放電熱分解 / 触媒金属 / パルスレーザ堆積法 |
Research Abstract |
液体または気化したエタノールと固体のシリコン基板の境界面に直流沿面放電を行い、陰極と基板聞に挟んだ触媒金属メッシュの溶融とエタノールの熱分解によるカーボンナノチューブ(CNT)の析出を同時に起こすことにより種々の金属内包CMを生成した。強磁性の鉄やニッケルに加えて、反磁性の銅や合金のステンレスを内包したCNTの生成に成功した。特にニッケル内包CNTでは、比較的低電流(低温)なI:4Aにおいて直径D:5~10nm・長さL:50~80nmのものが数本生成された。更に、I:4.5AではD:5~10nm・L:100~200nmと直線でアスペクト比が10~20と高く、先端では3~5層で根元では5~10層のグラフェンがニッケルの周りに析出したCNTが100本程度の高密度で生成していることを透過型電子顕微鏡により確認した。また、内包物はニッケルのみであることがエネルギー分散型X線分析から、面心立方構造の結晶性を有し格子定数は0.34nmであることがマイクロビーム回折から明かとなった。しかし、I:5Aでは球状のニッケル粒子とアモルファスなカーボン析出物しか観測できなかった。これに対して大電流なI:8~9Aで短時間の沿面放電において、D:10~80nm・L:100~800nmと太く長いにも係わらず直線でアスペクト比が10~20と高いニッケル内包CNTが稀にではあるが生成された。これらメッシュ上に生成した強磁性金属内包CNTを収束イオンビーム装置により電解研磨で針状にしたタングステンの先端に移植加工を施し、磁気力顕微鏡用の新規なプローブを作製することに成功した。また、グラフェンの層間に不純物を混入し新たな機能を有するプローブ開発を目指して広バンドギャップ半導体をパルスレーザ堆積し、LaO(CuS)とZnOでは紫外から可視光の発光を、DLC:Pや:Bでは光起電力発生を、LaSrTiOでは太陽光照射による水分解での水素発生を確認した。
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Research Products
(28 results)