2010 Fiscal Year Annual Research Report
地震学のアウトリーチにおける社会のニーズとノイズの研究
Project/Area Number |
20510170
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝俣 啓 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (10261281)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 聖子 東京大学, 地震研究所, 助教 (40443337)
|
Keywords | 地震 / アウトリーチ / 地震予知 / 地震雲 / 疑似科学 |
Research Abstract |
科学コミュニケーションは今や国家をあげての活動となっている.地震科学に関するコミュニケーションは命に関わる情報の伝達を含むため,リスクコミュニケーションあるいは防災教育なども視野にいれて活動する必要がある.平成20年度に発生したチリ中部地震では津波の日本への到達が予測され,地震発生から津波の後続波による危険性がなくなるまで,一日以上にわたって注意報や警報が発令された.テレビ画面での津波注意報・警報域の表示などメディアも一丸となった災害情報の発信を継続したと言える.その効果をはかるために,本研究の枠組みで平成21年度には津波に関する意識調査を実施した.地震発生から一週間後に,国内に居住の2060人を対象として,ウェブアンケート会社を通して行った.日本人の有する津波に関する基礎知識や津波リテラシー,そして災害情報の発信の仕方を問う全22問と自由記述項目からなる.津波に関する知識についての設問では,「地震の発生と津波の発生とに関連があると思うか」「外国で起きた地震で発生した津波は日本まで到達することがあると思うか」などの問いに対しておよそ95%の正答率が得られるなど,日本人の津波に関するリテラシーの高さが伺えた.今年度はイタリアにおける地震予知問題に関する調査を実施した。地震予知情報を的確に発令しなかったことに対して,地震学者が刑事責任を問われると言う事態に至り,日本の地震学会にも波紋が広がった.この事件の経緯を現地調査も含めて詳しく分析を行い,日本でも同様な事例が起こり得るのかどうか多角的に検討した
|