2010 Fiscal Year Annual Research Report
土砂氾濫を伴う浸水被害の早期警戒避難システム構築に関する研究
Project/Area Number |
20510176
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 晴行 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70117216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 尚俊 山口大学, 人文学部, 教授 (10240194)
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Keywords | 危機管理 / 自然災害 / 洪水 / 水災害 / 防災 / 減災 |
Research Abstract |
本研究は、福岡都市圏流域の河川を対象とし、リアルタイム降雨・水位情報と気象庁による降雨予測情報を併用した、土砂氾濫も考えた浸水被害の予測システムの構築を図るとともに、それに基づいた早期警戒避難システムのあり方について検討を行うものである。平成22年度は、以下の課題について研究を実施した。 (1)福岡都市圏流域における浸水予測システムの開発 2003年7月、福岡都市圏を流れる御笠川、宇美川において土砂を伴った洪水氾濫が発生した。さらに福岡市の中心部の密集市街地を流れる那珂川は洪水氾濫の危険性が指摘されている。このような洪水氾濫に有効な予測システムとして、家屋が密集した河岸における越流量公式の提案、及び、建物密度を考慮した、地上・地下空間(地下街および地下鉄駅)一体化した平面2次元浸水予測システムの構築を行った。 (2)地域住民の避難行動に関する研究 災害時における地域住民の避難行動の実態と、その後の行政の対応、地域レベルでの対策について、緊急対応や応急復旧に関する最新の研究動向(特に災害に対する地域社会の脆弱性と回復力をめぐるアプローチ)をフォローした。その結果、被災地域においては、住民と行政とが連携して、避難場所・避難経路の再検討や防災教育の推進など、地域の防災力向上をめざした取り組みが着実に進められつつあることを明らかにした。 (3)早期警戒避難システムの構築 浸水被害の早期警戒避難システムは、全体で9個のサブシステムの構成となることを示した。特に,避難のサブシステム構築の重要性を指摘した。急激な豪雨時における予測・避難情報の提供の在り方、住民の予測・避難情報に対する危険性の認識と避難行動との関係性などにシステム構築の課題があることも示した。
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Research Products
(2 results)