2008 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光共鳴エネルギー転移とヘパラナーゼ基質特異性を利用するがん診断薬の開発
Project/Area Number |
20510200
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田村 純一 Tottori University, 地域学部, 教授 (30221401)
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Keywords | 糖鎖工学 / がん / 診断薬 |
Research Abstract |
がん細胞は成長増殖とともに血管内に浸潤し、遠隔臓器に血行性転移する。その際、がん細胞は基底膜を破壊して血管内に浸潤する。基底膜はヘパラン硫酸を構成分子としており、がん細胞自身の分泌するヘパラナーゼによる基底膜ヘパラン硫酸の分解が、血行性転移の突破口となる。がん転移の開始と血中ヘパラナーゼの濃度上昇は、高い相関がある。また、ヘパラナーゼが認識するヘパラン硫酸の微細構造は極めて特異的である。本研究では、FRETに対応する蛍光発色基を装着したヘパラン硫酸オリゴ糖を酵素基質として化学合成する。これにより、迅速かつ簡便なヘパラナーゼ濃度の診断を可能にし、がんの早期発見法を開発する。 平成20年度は、蛍光発色基を装着した四糖基質(診断薬試作品)を化学合成するため、ヘパラン硫酸四糖骨格形成に取り組んだ。今回の酵素基質となるヘパラン硫酸四糖は、α-GlcNとβ-GlcAからなる二糖単位が二回繰り返されている。まず、グルコースから数工程でGlcA-GlcN型二糖を共通ユニットとして合成した。グルコサミン(GlcN)のアミノ基の前駆体として、アジドをグルコースの2位に導入した。また、保護基の導入の際にグルクロン酸(GlcA)エステルが副反応を起こすことが予想されたため、非還元側グルコース残基は二糖合成後に一級水酸基選択的酸化によってGlcAに変換することにした。単糖同士の縮合は高収率かつ立体選択的に進行し、GlcA-GlcN型二糖共通ユニットを効率的に合成することができた。21年度は、引き続き二糖ユニットを供与体と受容体に変換し、四糖の組み上げと発色某の装着を進める予定である.
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Chondroitin Sulfate E Fragments Enhance CD44 Cleavage and CD44-Dependent Motility in Tumor Cells2008
Author(s)
K. N. Sugahara, T. Hirata, T. Tanaka, S. Ogino, M. Takeda, H. Terasawa, I. Shimada, J. Tamura, G. B. ten Dam, T. H. van Kuppevelt, M. Miyasaka
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Journal Title
Cancer Res. 68 (17)
Pages: 7191-7199
Peer Reviewed
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