2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光共鳴エネルギー転移とヘパラナーゼ基質特異性を利用するがん診断薬の開発
Project/Area Number |
20510200
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田村 純一 Tottori University, 地域学部, 教授 (30221401)
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Keywords | 糖鎖工学 / がん / 診断薬 |
Research Abstract |
がん細胞は成長増殖とともに血管内に浸潤し、遠隔臓器に血行性転移する。その際、がん細胞は基底膜を破壊して血管内に浸潤する。基底膜はヘパラン硫酸を構成分子としており、がん細胞自身の分泌するヘパラナーゼによる基底膜ヘパラン硫酸の分解が、血行性転移の突破口となる。がん転移の開始と血中ヘパラナーゼの濃度上昇は、高い相関がある。また、ヘパラナーゼが認識するヘパラン硫酸の微細構造は極めて特異的である。本研究では、FRETに対応する蛍光発色基を装着したヘパラン硫酸オリゴ糖を酵素基質として化学合成する。これにより、迅速かつ簡便なヘパラナーゼ濃度の診断を可能にし、がんの早期発見法を開発する。 これまでに、蛍光発色基を装着した四糖基質(診断薬試作品)を化学合成するため、グルコースから誘導できるGlcA-GlcN型二糖(共通二糖ユニット)の合成経路を確立した。単糖同士の縮合は高収率かつ立体選択的に進行し、共通二糖ユニットを効率的に合成することができた。今回の酵素基質となるヘパラン硫酸四糖は、α-GlcNとβ-GlcAからなる二糖単位が二回繰り返されている。平成21年度は、ヘパラン硫酸四糖骨格の形成のための共通二糖ユニット間の効率的な縮合方法(オリゴマー化)も見いだし、共通二糖ユニットの量的確保を行った。22年度は、蛍光共鳴エネルギー転移を起こす蛍光発色基のペアのうち、立体的に酵素反応を阻害しないものを選択し、糖鎖の前後への装着を試みる。要所において効率的な反応を取り入れ、行程の短縮や各合成段階の収率向上を検討する。年度内に試作品を完成させ、酵素反応に供する予定である。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
田村純一
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Journal Title
地域環境学への招待(分担)、5章地域の未利用資源の活用 2節水産系不可食部の高付加価値化(三恵社)
Pages: 95-102
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[Journal Article]2009
Author(s)
田村純一
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Journal Title
複合糖質の化学と最新応用技術(分担)、第2編第5章 プロテオグリカンの化学合成をめざして(シーエムシー出版)
Pages: 154-160
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