2009 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄群島小島嶼に分布する絶滅危惧植物の固有性解明と保全
Project/Area Number |
20510220
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
國府方 吾郎 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 植物研究部, 研究主幹 (40300686)
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Keywords | 琉球列島 / 絶滅危惧植物 / 固有種 / 分類 / 保全 |
Research Abstract |
沖縄群島小島嶼に産し、オーストラリアと沖縄群島に隔離分布すると考えられているケスナヅルC.pubescens(絶滅危惧II類)とイトスナヅルC.glabella(絶滅危惧IA類)について、葉緑体DNA trnK intronの一部を用いた系統解析と詳細な形態観察をもとにケスナヅルとイトスナヅルの隔離分布検証と分類の再検討を行ったところ、ケスナヅルとイトスナヅルのオーストラリアと沖縄群島の隔離分布は支持されなかった。また、沖縄群島産ケスナヅルはスナヅルの異名、伊是名島産イトスナヅルは沖縄群島の固有種C.pergracilis(Hatus)Hatus.とする分類学的見解が示唆された。 久米島に産するマルバハタケムシロ(絶滅危惧IB類)について、核DNAのITS配列をもとに奄美大島産と比較したところ変異はみられず、2島の個体は隔離されて時間があまり経過していないことが示された。また、外部形態の類似性とあわせて従来どおり区別する必要がないことが支持された。また、近縁種との系統解析の結果、マルバハタケムシロは琉球列島の固有種であること、南半球を起源とすることが示唆された。 沖縄群島小島嶼の絶滅危惧植物25種類について、最適な栽培法を確立し、筑波実験植物園における絶滅危惧植物の系統維持に追加した。上記25種類には、特殊栽培環境における挿し木によって増殖させた5種類の木本絶滅危惧植物、半寄生植物1種(ナガバアリノトウグサ)の新たに栽培・増殖法を確立した種類を含む。
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Research Products
(7 results)