2009 Fiscal Year Annual Research Report
四川省チベット地区における中国共産党の宗教政策及び統一戦線活動に関する研究
Project/Area Number |
20510240
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
川田 進 Osaka Institute of Technology, 知的財産学部, 准教授 (10288756)
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Keywords | 中国 / 中国共産党 / 宗教政策 / チベット / 四川省 / カトク寺 / ウーセル(唯色) / チベット騒乱 |
Research Abstract |
1.現地調査の成果 場所:中国四川省カンゼ州・青海省玉樹州、海南州、果洛州、平安県 期間:2009年7月28日~8月11日 目的:四川省及び青海省チベット地区における中国共産党のチベット政策に関する現地調査 成果:(1)「2008年チベット騒乱」と四川省カンゼ(甘孜)県の関係及び2009年8月の現状を調査した結果、「騒乱」における東チベット(カム・アムド)の果たした役割を把握することができた。また、「騒乱」におけるカンゼ州の位置付けを提示し、「チベット問題」と向き合う際の東チベットの重要性を指摘した。 (2)四川省セルシュ(石渠)県におけるパンチェン・ラマ10世の宗教政策の内容を明らかにした。宗教活動拠点(ソングマニ、ペーゲマニ)の調査に成功した。(3)デルゲ県のゾクチェン(佐慶)寺、シェチェン(協慶)寺における漢人信徒の信仰動向及び高僧(転生ラマ)の活動状況を調査した。(4)カンゼ州に隣接する青海省ジェクンド(玉樹)県におけるチベット仏教の動向とイスラム教徒の商業活動の実態を把握した。(5)黄河源流域におけるチベット文化・宗教の展開状況、漢族の大河ナショナリズムの動向を調査した。 2.文献調査の成果 (1)ウーセル(唯色)が提供した「2008年チベット騒乱」の資料に基づき、「騒乱」と四川省カンゼ州に関する資料一覧を作成した。その際、「2008年同仁事件」(青海省同仁県)が「騒乱」を読み解く鍵となることを証明した。 (2)「騒乱」の背後に存在する「ロンギュ・アダック事件」「テンジン・デレク事件」に関する資料を作成した。
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Research Products
(3 results)