2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ労働組合における雇用均等推進に関する研究ー女性部の限界と可能性
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20510253
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Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
柚木 理子 川村学園女子大学, 人間文化学部, 準教授 (20327216)
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Keywords | ドイツ / 労働組合 / ドイツ労働組合総同盟DGB / 労働組合女性部 / 女性運動 / ジェンダー / 均等待遇政策 / ジェンダー政策部 |
Research Abstract |
最終年度である平成22年度においては、ドイツ労働組合運動担当者並びにドイツにおける女性運動担当者、ドイツの女性運動研究の専門家への聞き取り調査を中心に行なった。具体的にはドイツ労働組合総同盟(DGB)女性部、産別労組のサービス産業労組のジェンダー政策部並びに女性部担当者に対して聞き取り調査を行ない、労働組合内部におけるジェンダー均等推進の取り組み状況とその課題を明らかにした。 DGBに関しては、本年度が4年に一度開催される第19回DGB定期連邦大会の開催年に当たり(2011年5月)、同大会に出席し参与観察を行なった。その際、DGBの組織改革議論において、女性部の存在意義が改めて再認識され、今後もDGB全体としてジェンダー課題に力を入れていくことが改めて確認された。この数年、ジェンダー均等政策の中心的課題として位置づけられている男女間賃金格差是正のためのキャンペーンEqual Pay Dayにも参加し、DGBとドイツの女性グループを統括するドイツ女性評議会Deutscher Frauenratが連携して運動を展開していることが把握できた。 DGB参加の産別労組で唯一ジェンダー部と女性部を有しているサービス産業労組においては、双方のセクションの組織的な構図において課題が残る。ジェンダー政策部は組合員対象としたジェンダー意識改革やジェンダー視点からのセミナーなどを企画・運営しており、実質的な政策的関与は比較的少ないという実態が明らかになった。 また、平成23年7月にオタワで開催されるWomen's Worlds 2011での発表エントリーが採択され、本研究で得られた知見の一部を発表する予定である。
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