2008 Fiscal Year Annual Research Report
近代化の中の伝統宗教と精神運動-基準点としての近角常観研究
Project/Area Number |
20520055
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
岩田 文昭 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (00263351)
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Keywords | 知識人宗教 / 宗教哲学 / 浩々洞 / 信仰告白 / 清沢満之 / 真宗大谷派 / 親鸞 / 近代仏教 |
Research Abstract |
本研究は、研究協力者として、大澤広嗣(東洋大学アジア文化研究所客員研究員)、碧海寿広(財団法人国際宗教研究所宗教情報リサーチセンター研究員)、小田晃生(大正大学大学院生)の協力を得て、本年度は、以下のような研究を行った。第一に近角常観が発行した機関誌の整理と分析に取り組んだ。近角が発行した三種類の機関誌、『政教時報』『求道』『信界建現』(求道会館、京都大学図書館、大谷大学図書館所蔵)の確認・整理をしながら、電子化を行った。電子化した資料は、平成21年度中にDVDにて、関係機関・研究者に無料配布する予定である。第二に、近角が設立した求道会館(東京都文京区)に未整理のまま置かれてあった1万通を越える書簡をはじめとする膨大な資料整理に取り掛かった。大澤、碧海、小田の三名は、おおよそ週一回、求道会館で終日作業をなし、この作業から、清沢満之、暁鳥敏、佐々木月樵らの直筆名簿や宮澤賢治の思想理解に稗益すると思われる政次郎(賢治の父)の書簡などが発見された。また、求道会館寄付者名簿、近角所蔵の書籍を整理し、それら名簿・目録を作成した。第三に、大澤、岩田は近角生誕の地である、西源寺(滋賀県東浅井郡湖北町)に行き、現地調査を行った。これらの調査をもとにして、平成21年3月27日に島薗進東京大学教授ら参加のもと、「求道会館」春の研究会を行い、ライアン・ワルド、大澤広嗣、碧海寿広、岩田文昭が研究発表を行った。このような成果は、平成21年9月の日本宗教学会第68回学術大会のパネル「近角常観とその時代」で発表する予定である。また、「『政教時報』『求道』『信界建現』、三機関誌の解題」、「三機関誌の目次」、「近角の生涯」、「求道会館寄付者名簿」「求道会館蔵書目録」を記載した冊子の作成に取り組んでいる。これは先に述べたDVDに添付し、配布する予定である。
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Research Products
(2 results)