2010 Fiscal Year Annual Research Report
京城帝国大学と台北帝国大学の設立と廃校の思想史的意義
Project/Area Number |
20520073
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高坂 史朗 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20170178)
|
Keywords | 東アジア / 思想史 / 京城帝国大学 / 台北帝国大学 / 植民地教育政策 / 比較思想 |
Research Abstract |
本年度は研究の最終年度であるので「京城帝国大学と台北帝国大学の設立と廃校の思想史的意義」に関して2つの研究を行った。1. 「植民地帝国大学に立つ二人の哲学者-京城帝国大学の安倍能成と台北帝国大学の務台理作」の論文作成である。日本は植民地朝鮮と台湾の地に帝国大学を設立した。1924年に京城帝国大学が、1928年に台北帝国大学が設置・運営され1945年まで続いた。その地で「哲学・哲学史」講座を担当した安倍能成と務台理作を中心に「植民地教育」が日本の知識人の思索のどのような影響を与えたかを論じた。また、京城帝国大学の研究活動がその後の日本・韓国/朝鮮・台湾にどのような影響を与えたかを考察した。さらに、その「植民地教育」政策がその後の二国にどのような影響を与えたかも研究した。2. 李光来著『韓国の西洋思想受容史』御茶の水書房(柳生真共訳)を翻訳出版した。同書は日本の植民地形成や京城帝国大学の設立とその展開についても詳細に記述されている。その「解題」に「東アジアと西洋思想」と題して、台湾を含めて東アジア(中国・朝鮮・日本)の西洋思想受容の特色を比較する考察をなした。なお本書は第17回APPA(アジア・太平洋出版連合)出版賞の学術部門銀賞を授賞した。さらにドイツ・ロシアの植民地教育政策についても調査研究を行った。
|
Research Products
(3 results)