2009 Fiscal Year Annual Research Report
聖母戴冠の画家工房ネットワークにおける彩色系譜の研究
Project/Area Number |
20520098
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Research Institution | Otani Womens University |
Principal Investigator |
小林 典子 Otani Womens University, 文学部, 教授 (80243137)
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Keywords | パリ写本彩飾挿絵 / ファン・エイク / 聖母戴冠の画家 / ブシコーの画家 / マザリンヌの画家 / ベッドフォードの画家 / 油彩画技法の完成 / グラシ手法 |
Research Abstract |
今年度は研究実施計画書にもとづいて、まず、1407-1420年頃一気に開花したブシコーの画家工房とそのネットワークの画家たち(エジャートン、ベッドフォード、オロシウス等)の彩色技法の分析をおこない再構築を試みるため、重要関連諸写本の調査(イギリス、フランス方面)を予定通り行うことができた。とりわけ最も重要な2写本-ブシコーの画家の基幹作品ならびにマザリンヌの画家作品-の調査を行い、その目的を達成することができた。さらに、聖母戴冠の画家の彩色法に関して、現時点での調査成果を論文にまとめた。 具体的には、前半期:夏季8月~9月にかけて海外調査研究を行った。調査を行った日程、訪れた機関、調査対象作品については、1)写本ミニアテュールの調査:(1)8/10ジャクマール・アンドレ美術館『時〓書』ms.2(2)8/11~フランス国立図書館(1)lat.3107写本(2)lat.10538写本他(3)8/17~20マザリンヌ図書館『時〓書』MS.469写本他(4)8/24~26オクスフォード・ボドゥリアン図書館『時〓書』Douce144他(5)8/27ケンブリッジ・フィツウイリアム美術館『事物の特性の書』MS.251(6)8/28~29大英図書館『時〓書』Add.16997写本他、2)文献・資料調査:(1)マザリンヌ図書館(2)フランス国立図書館(3)フランス国立美術史研究所INHA、3)研究者訪問:フランス国立図書館研究員I.V.プティ氏、Aシャトレ名誉教授等と意見や情報交換を行った。後半期:海外調査から帰国後:帰国後は、(1)海外調査の資料の整理と収集した文献の読破を行い、(2)ブシコーの画家工房とそのネットワーク(同時代の)画家工房の彩色技法について論文を執筆し、(3)研究会および集中講義(東京芸術大学)等において、その最新知見の発表を行った。
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Research Products
(2 results)