• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2010 Fiscal Year Annual Research Report

コミックの文化的認知に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20520105
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

森田 直子  東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (40295118)

Keywordsコミック(ス) / テプフェール,ロドルフ / スイス / フランス
Research Abstract

本研究の目的は、日本および海外のコミックの文化的・社会的ステイタス獲得(またはその挫折)のプロセスを1.コミックの学術的研究の歴史2.コミックと芸術の制度や機構とのかかわり3.コミックにおける「娯楽」的側面と「啓蒙」「教育」的側面という3つの観点から比較・考察するものである。
22年度はまず、昨年度に引き続きスイスの作家ロドルフ・テプフェールをモデルケースとして研究を進めた。テプフェールが、自分の生み出した新しいメディアである「版画物語」(今日の「まんが」にきわめて近い形式の物語)について、民衆芸術・文学・表象芸術という観点からどのように価値づけようとしたかをその理論的テクストから読み解き、スイスおよびフランスにおけるコミックスの文化的認知の困難さを形作っていたさまざまな文化的背景を知ることができた。19世紀を通じてコミックスの文化的認知と密接なかかわりをもち、その結果フランス語圏では導入が非常に遅かったスピーチ・バルーンの歴史についても並行して調査した。
今年度のもう一つの成果として、現代フランスにおけるコミックス(BD)の文化的認知に関するティエリ・グルンステンの研究をふまえつつ、日仏両国におけるコミックスと諸芸術との関係、子ども観、大学制度、歴史記述の観点から今後のコミックスの学術的研究のあり方に関する問題提起をおこなった。また、10月には本研究代表者の主催する「ナラティヴ・メディア研究会」にグルンステン氏を迎えて講演会・セミナーを行い、コミックスを学問として論じる場のありかたを探る手がかりとした。
注記:ここ一、二年で、さまざまな文化圏に属するマンガの総称として、英語のcomicsのカタカナ表記「コミックス」が普及しつつあるため、研究課題名での表記を補い「コミック(ス)」や「コミックス」を多く使用した。

  • Research Products

    (5 results)

All 2011 2010

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] コミックスの文化的認知と学術研究の関係について2011

    • Author(s)
      森田直子
    • Journal Title

      世界のコミックスとコミックスの世界国際マンガ研究

      Volume: 1 Pages: 13-22

  • [Journal Article] ロドルフ・テプフェールのジュネーヴ2010

    • Author(s)
      森田直子
    • Journal Title

      比較文学研究

      Volume: 95 Pages: 90-105

  • [Journal Article] 新ジャンルの擁護と顕揚-ロドルフ・テプフェール「版画文学」論の背景2010

    • Author(s)
      森田直子
    • Journal Title

      フランス語フランス文学研究

      Volume: 97 Pages: 149-161

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 諷刺物語としての『ジャボ氏』2010

    • Author(s)
      森田直子
    • Journal Title

      ナラティヴ・メディア研究

      Volume: 2 Pages: 67-87

  • [Presentation] 19世紀の絵物語における身体・語り・自己言及2010

    • Author(s)
      森田直子
    • Organizer
      日本フランス語フランス文学会2010年度春季大会ワークショップ
    • Place of Presentation
      早稲田大学
    • Year and Date
      2010-05-29

URL: 

Published: 2012-07-19  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi