2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520110
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
石川 重遠 筑波技術大学, 筑波技術大学, 名誉教授 (10114232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 吉郎 武蔵野美術大学, 造型学部, 教授 (40076287)
山本 政幸 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (80304145)
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Keywords | 和文ゴシック体 / 和文ゴシック体創出 / 和欧ゴシック体の関連性 / 書体デザイン / 書体史 |
Research Abstract |
研究の成果:本研究は、和文ゴシック体の成立とその書体が欧文ゴシック体と関連があることを明らかにするものである。平成22年度の成果として、(1)和文ゴシック体の成立に関して、これまでの調査を踏まえ、和文ゴシック活字書体の最初期の書体を明治19年の官報に使われた見出し書体であることを学会報告したこと、(2)日本に近代活版印刷術をもたらしたウィリアム・ギャンブルと欧文ゴシック体に関しての学会報告ができたこと、(3)19世紀のアメリカで欧州のサンセリフ書体がゴシック体と呼ばれることに関して、昨年に引き続きコロンビア大学図書館バトラー図書館のAmerican Type Foundersの膨大なコレクションより19世紀のゴシック体に関する資料の調査を行い、19世紀中頃のアメリカ製鋳造サンセリフ活字書体を「ゴシック体」と命名したことが確定出来た。 意義:和文ゴシック活字書体の成立がほぼ特定された。また、欧文サンセリフ活字書体がアメリカでゴシック体と命名されて鋳造し、活字見本帳に掲載されていることを調査でき、その成立が19世紀中葉であることを明らかにした。 研究の重要性:今年度の研究で、和文ゴシック活字書体の創成に関して、これまで研究の無いに等しい状況からその創成をめぐる調査・考察によって成果を得たことは重要である。また、アメリカのゴシック活字書体の調査を重ね、日本に導入されたアメリカのGothic活字が「ゴチック」と呼ばれ、和文ゴシック活字書体に「ゴチック」と命名されたことをはじめ、和文ゴシック体創出には欧文活字書体、そして欧米の印刷メディアの影響と大いなる関連性があることを把握できた。
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Research Products
(2 results)