2008 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄のエイサー芸能の生成過程の解明-「手踊りエイサー」の様式性に着目して
Project/Area Number |
20520128
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Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
酒井 正子 Kawamura Gakuen Woman's University, 人間文化学部, 教授 (00092627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 公江 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (40195772)
久万田 晋 沖縄県立芸術大学, 付置研究所, 教授 (30215024)
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Keywords | 沖縄 / 民俗芸能 / エイサー / 念仏 / 旧盆 / 現地調査 / 伝統の再創造 / モアシビ |
Research Abstract |
まず本部町27ヶ字、名護市55ヶ字、今帰仁村17ヶ字について、これまでの資料調査状況一覧を作成。歌詞集・映像・録音・楽譜・公刊資料等の蓄積状況を把握した。それによれば名護市の旧羽地・屋我地・久志地区では殆どエイサーは無く、本部町8ヶ字が未収録、今帰仁村は小林がほぼ全域の調査を終えている。 その後旧盆期間を中心に現地調査に着手、名護市世冨慶・東江・山田・屋部・宇茂佐、本部町健堅・辺名地・瀬底・渡久地・大東山・大浜・具志堅・伊野波(てり一原)、今帰仁村今泊(東上原)・呉我山等のほか、国頭村等へも出向き、のべ調査期間は小林58日、酒井37日間。順次資料整理と記述作業をおこない、伝承の基本単位である集落レベルの実態の把握に力を注いでいる。具体的には伝承状況、曲目や歌詞、歌唱形式(実際のうたわれ方。曲の系統をさぐる重要な指標)等の、実演にもとづく確定である。1集落あたり15〜30曲近いレパートリーがあるが、現在はとくに「一二揚げ曲」は殆ど省略されるため、全体像の把握は容易ではない。実演の主体は青年層だが、古老やベテランの方々からの聞き取りが不可欠である。本部町・読谷村・うるま市のエイサー祭やエイサー天国等のイベントにも出向いた。沖縄北部地域でのウンジャミ・シヌグ・村おどり、奄美大島のアラセツ・シバサシ等で関連芸能の調査もおこなった。沖縄市ではエイサーの伝承に関するシンポジウムで報告。また新旧スタイルの変遷をさぐった。例えばコザ区(嘉間良)の1961〜1991年の出演写真をたどると太鼓数が増加、初期の頃は手踊りのスタイルも相当あることが確認できる。本部町瀬底では、若年層の戦死により途絶えかけた伝承再生の過程も探ることができた。 なお8月と3月に、科研メンバーによる意見・情報交換を行った。
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Research Products
(8 results)