2012 Fiscal Year Annual Research Report
児童文学・絵本の創作・伝達に関わる実践的活動とその基礎となる作品分析の研究
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20520191
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
香曽我部 秀幸 梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (70460946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 康子 梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (60299005)
鵜野 祐介 梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (10269970)
田中 裕之 梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (20268478)
近藤 眞理子 梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (70234953)
畠山 兆子 梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (50172911)
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Project Period (FY) |
2008-10-22 – 2013-03-31
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Keywords | 児童文学 / 絵本 / おはなし会 / 文庫活動 / 子育て支援 / 絵本学 / 物語理解 / 被災地支援 |
Research Abstract |
平成24年度の創作分野では、富安陽子氏(研究分担者)、宮下恵茉氏(梅花女子大学児童文学科卒業生、授業「児童文学制作基礎」担当非常勤講師)、その他の童話の創作を継続している卒業生、これらの創作活動の成果としての作品出版が相次ぎ学生たちに驚きを持って受け止められた。また、春季講演会(5月12日、於・梅花女子大学)での原ゆたか氏(児童文学作家)が語った作家の工夫の数々がその読者でもある学生たちに興味深く受け止められた。これらの刺激が在校生に影響し、卒業制作(童話)を目指す学生たちが、富安陽子氏の指導の下、手作りの作品集をまとめ、学園祭(11月10日~11日、於・梅花女子大学)で発表する自主活動が見られた。絵本分野でも、第3回新しい創作絵本大賞(梅花こども・絵本・児童文学センター主催)の表彰式&合評会(7月22日、於・梅花女子大学)、第4回同コンクールの募集で刺激を得た学生たちの創作活動の成果は、絵本制作展(2月14日~19日、於・茨木市立ギャラリー)で公表された卒業制作作品や各授業の作品に結実した。このように、創作分野は指導者自身の精力的な創作活動と卒業生たちの卒業後も継続している活動とその成果としての出版が、在学生の意欲を掻き立てる効果が見出せた。また、児童文学科創設30周年記念行事の展覧会(9月27日~10月3日、於・心斎橋アセンスギャラリー)&フォーラム(11月11日、於・梅花女子大学)および『講演集児童文学とわたしIII』の刊行において、これまでの創作分野、それを支える研究分野の成果が再認識された。 伝達分野では、文庫活動(於・梅花幼稚園こうめ文庫)、絵本の読み聞かせ活動(於・子育て支援センターのもりの広場、ふくろう広場、あいあい広場)、朝の読書活動(於・豊川小学校)などの授業や課外でのおはなし会の実践が、幼児教育・保育分野の授業ともあいまって、学生の意欲的な活動として積み重ねられてきた。卒業後も各図書館や文庫で伝達活動を継続しているケースも少なくなく、東北大震災後の支援として、被災地でのおはなし会が鵜野祐介氏(研究分担者)と卒業生2名によって8月に行われた。それをきっかけとして12月と3月の2回にわたって、学内外に呼びかけて児童書を集め、被災地の子どもたちに贈る梅花プロジェクトが学生を中心にして行われた。 両分野共に、発表の場の設定がもたらす効果が示され、継続・蓄積の重要性を再認識させた。また、両分野を支える絵本学や物語理解の研究の必要性も確認することができた。
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Research Products
(5 results)