2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520213
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
加藤 雄二 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (60224549)
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Keywords | アメリカ文学 / 批評理論 / 比較文学 / メルヴィル / ホーソーン / ポー / ディキンソン / ゴシック |
Research Abstract |
23年度は、19世紀アメリカ文学研究の本国における権威であるRichard Kopley教授を御招聘し、日本ナサニエル・ホーソーン協会や神戸女学院大学、京都女子大学、広島大学などと協同しつつ、東京外国語大学を初めとした全国数カ所でセミナー、講演会、シンポジウムを開催する予定だった。しかし、震災によるアメリカ政府の渡航自粛令が理由で、残念ながらKopley教授の御来日とそれに付随した学術的活動を断念せざるを得なかった。当初計画の主要部分が中止になったことを、ご報告、ご謝罪しなければならない。Kopley教授には、日本ナサニエル・ホーソーン協会の30周年記念学会においてDVDを介したご講演をお願いし、当初ご参加頂くはずだった記念シンポジウムには、研究代表者だけが他の日本人パネラーと参加することとなった。シンポジウムでは、本計画の中核となる「アメリカン・ルネッサンス」の批評的、歴史的構築の過程を、F.O.Matthiessenの著書American Renaissanceにおける文学史構築の方法論の分析を通して行い、日本の19世紀アメリカ文学研究を担う重要な学術団体に批評理論的観点から問題をなげかけることができた。このシンポジウムおよび記念学会における発表の一部は、東京外国語大学論集に発表するべく原稿としてすでに完成されている。また、今後学会シンポジウムにかかわって、E.A.Poeを中心とした分析を、学会が出版する予定の記念論集に発表することになった。6月にはローマ大学で開催された国際ハーマン・メルヴィル学会で研究発表とセッションの司会を務めた。"'True Places Never Are' : Loci as Masquerades and the Transformations of Geography in Herman Melville's Texts"と題された研究発表は、学会からの依頼でほぼ完成した原稿にまとめられており、近日中に投稿予定。1月には、アメリカのModern Language Association全国大会でMelville協会のセッションで、日本文学とMelvilleとの関係を議論する研究発表を行った。21年度に国際エミリー・ディキンソン学会で行った研究発表をもとにした論文が東京外国語大学『総合文化研究』に掲載された。
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Research Products
(6 results)