2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520214
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大田 信良 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90233139)
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Keywords | 帝国 / ポストインペリアル / 英国文化 / グローバリゼーション / 英米関係 / 冷戦 / モダニズム / ニューヨーク知識人 |
Research Abstract |
第1の研究主題領域である(1)英国リベラリズムの政治文化については、日本英文学会全国大会、特別シンポジウム「知識人の作法?-リベラリズム、歴史、文学」2010年5月30日於神戸大学で司会をし、講師としても「知識人の「誕生」とブルームズベリー・グループ第2世代の作法-リベラル・イングランドのトランスアトランティックな転回」を発表した。また、この研究の前史となる博論を、『帝国の文化とリベラル・イングランド』として出版した。 (2)の英国ヘリテージ映画の再考については、『ポスト・ヘリテージ映画-サッチャリズムの英国と帝国アメリカ』大谷伴子・大田信良ほか編東京:上智大学出版,2010に続く研究プロジェクトとして、『ポスト・ヘリテージ映画2-ゲモニー国家アメリカの変容とサッチャリズムの始まり』(仮題)出版の準備をはじめた。具体的には、研究会「ポストインペリアル英国文化と長い20世紀」を新たな形で再開し、10月以降、上智大学等に於いて、企画等も含めた討議・研究発表を4回行った。また、別のスピンオフ・プロジェクトとして、『グローバル化するポピュラー・カルチャー:英国文化政策のポリティカル・エコノミー』という、文学・文化研究と文化政策学の分野横断的な論文集出版の準備を実施し、慶應義塾大学出版会より2012年5月刊行することを決定した。 (3)の英米批評理論の歴史化の作業については、まず、英国の学者批評家Frank Kemodeとニューヨーク知識人との関係をグローバルに編制され制度化されたモダニズムの歴史的コンテクストにおいて解釈した「ベケット、ナボコフ、そして文化冷戦-「モダニズム文学」の制度化」を、川端康雄ほか編『愛と戦いのイギリス文化史1951-2000年』東京:慶應義塾大学出版会,2012年6月刊行予定に、寄稿した。さらに、村上東編『冷戦期とアメリカン・カルチャー覇権国家の文化装置』京都:臨川書店,2012年6月刊行予定への寄稿論文として、「誰もEdward W.Saidを読まない?-終わらない冷戦とReagan期米国批評理論のさまざまなはじまり」を執筆した。
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Research Products
(3 results)