2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520214
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大田 信良 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90233139)
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Keywords | 帝国 / ポストインペリアル / 英国文化 / グローバリゼーション / 英米関係 / 冷戦 / モダニズム / ニューヨーク知識人 |
Research Abstract |
(1)英国リベラリズムの政治文化については、ブルームズベリー・グループとアソシエーションの歴史的系譜と現代への転回の可能性を論じた「The Years、リベラリズム、アソシエイション-ブルームズベリー・グループの政治文化」『英文学研究 支部統合号』4(2011):1-11.を慫慂論文として寄稿・発表した。また、ブルームズベリー知識人と一見対立しながら協働関係にあったD・H・ロレンスと金融資本の表象については、2011年度日本D・H・ロレンス協会全国大会シンポジウム「『トマス・ハーディ研究』再読のために-リベラリズム、帝国、「教養小説」の転回」において「『トマス・ハーディ研究』と金融資本-スパイ小説/ "Sex Novels" /「教養小説」」として発表した。 (2)英国ヘリテージ映画の再考の第2弾として、『ポスト・ヘリテージ映画2』出版の準備を進め、そのために、上智大学・同志社大学等に於いて企画等も含めた研究発表や打ち合わせを合計10回開催した。さらにそのスピンオフ・プロジェクトである論集『グローバル化するポピュラー・カルチャー:英国文化政策のポリティカル・エコノミー』(慶應義塾大学出版会2012年5月刊行予定)の編著者として、執筆・編集を進めた。また、これらの調査のために、英国のBFI(英国映画研究所)・大英図書館・文化複合施設サウスバンク・センターへ、2週間程度出張を行った。 (3)英米批評理論の歴史化の作業については、「ベケット、ナボコフ、そして文化冷戦-「モダニズム文学」の制度化」を川端康雄ほか編『愛と戦いのイギリス文化史1951・2000年』東京:慶應義塾大学出版会,2011年6月刊行に発表した。また、「誰もEdward W.Saidを読まない?-終わらない冷戦とReagan期米国批評理論のさまざまなはじまり」という論考を村上東編『冷戦期とアメリカン・カルチャー覇権国家の文化装置』京都:臨川書店,2012年6月刊行予定へ寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英国ヘリテージ映画のプロジェクトについては、すでに1冊論集を出版しており、さらに、その続編も準備進行中であり、スピンオフ論集は、現在、出版に向けて編集作業中である。また、英国リベラリズムおよび英米批評理論のプロジェクトについても、それぞれ単著となる原稿を、着々と準備・発表・(論集に)寄稿している。
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Strategy for Future Research Activity |
英国ヘリテージ映画のプロジェクトについては、まず、現在編集作業中であるスピンオフ論集『グローバル化するポピュラー・カルチャー:英国文化政策のポリティカル・エコノミー』を完成させ、『ポスト・ヘリテージ映画2』の原稿執筆および出版企画の作業を進める。英国リベラリズムの政治文化および英米批評理論のプロジェクトについては、すでに予定単著2冊のそれぞれ2章分(英国リベラリズムの単著についてはブルームズベリー・グループ論とカズオ・イシグロ論、英米批評理論の単著についてはT・S・エリオット論と冷戦期ナショナリズム/モダニズム論)、合計4章分の原稿を発表予定であり、さらに、すでに発表分のものにいくつかの補足章・序章・終章の原稿を平成24年度中に完成し、出版企画に着手する予定である。
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Research Products
(3 results)