2009 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル情報検索を活用した『フィネガンズ・ウェイク』のテキスト生成過程研究
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20520240
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| Research Institution | University of the Sacred Heart |
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Principal Investigator |
扶瀬 幹生 University of the Sacred Heart, 文学部, 准教授 (60262094)
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| Keywords | 英米文学 / アイルランド文学 / ジョイス / 電子メディア / genetics |
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| Research Abstract |
昨年度はVI.B.14、 VI.B.10、 VI.B.3の3冊を研究対象とする予定だったが、 VI.B.10については研究を遂行する時間的余裕がなく、VI.B.14とVI.B.3の研究になった。いずれのノートブックについても所期の予定通り、画期的な数の出典特定を達成できた。
・新聞の電子アーカイヴ活用によって出典として特定できた記事件数は以下のとおり:VI.B.14:Connacht Tribune(3),Freeman's Journal(5),Irish Independent(10),Irish Times(2)★従来このノートブックにおける新聞の出典は1点しか確認されおらず、今回発見した新聞の出典は数こそ少ないものの、このノートブックが作られた時期を正確に特定するための手掛かりとして大変貴重な成果である。
・書籍・雑誌形態の出典特定についての業績の概要は以下の通り:
VI.B.3:研究提携者のRobbert-Jan Henkesが4点、本研究代表者が2点、新たな出典を発見。すでに出典が特定されているものについても、電子テキスト化した出典の精査を行うことによって相当数の補遺を行った。
VI.B.14:研究提携者のRobbert-Jan Henkesが13点、本研究代表者が9点、新たな出典を発見。すでに出典が特定されているものについても、電子テキスト化した出典の精査を行うことによって相当数の補遺を行った。★なかでも、本研究代表者の特記すべき業績としては、いずれのノートブックにおいてもOscar Wildeに関するこれまで知られていなかった出典を発見することによって、古くから研究者の問で気付かれていたFinnegans WakeにおけるWilde関係の言及について、従来の定説を覆す真の典拠を確定しえたことが挙げられる。
・VI.B.3とVI.B.14について行った出典研究の成果はGenetic Joyce Studiesの9巻と10巻で公刊、ないし公刊見込みである。(後者については平成22年5月現在刊行準備中)
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