2012 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル情報検索を活用した『フィネガンズ・ウェイク』のテキスト生成過程研究
Project/Area Number |
20520240
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
扶瀬 幹生 聖心女子大学, 文学部, 教授 (60262094)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交換(西ヨーロッパ・北米) / 英米文学 / アイルランド文学 / ジョイス / 電子メディア / 電子アーカイヴ / genetic criticism |
Research Abstract |
本研究の最終年度に当たり、これまでの出典研究を継続することと併せて、今後の新たな研究の展開を準備する目的から、将来研究データや研究の方法論を研究者間で共有して研究を効果的に推進するための電子アーカイヴの試作も行った。 出典研究と電子アーカイヴ試作を同時に推進するために、当初本年度の研究対象として予定していた3冊のノートブックのうちVI.C.2のみに研究対象を絞り、VI.C.2に転記されている4冊のノートブック(VI.B.34, VI.B.2, VI.D.1, VI.B.6)のうち現存しないVI.D.1の出典をVI.C.2に(多くの誤記を交えて)転記されている項目から割り出すことで、VI.C.2に転記されていない項目も含めてVI.D.1の復元を目指すことに主眼を置いて出典研究と電子アーカイヴ試作を同時に進めた。 出典研究で特筆すべきことは次の2点: (1) 研究協力者のRobbert-Jan HenkesがVI.D.1の主要な出典が1910年代以降刊行されたTo-Day and To-Morrow叢書の9冊であることを突き止めた。(2) 扶瀬がVI.D.1の制作年代についての重要な手掛かりとなる新聞記事(Irish Times, Irish Independent, Connacht Tribune)を出典とする項目を相当数発見した。以上の発見によって、VI.D.1の復元の端緒が大きく開けた。 電子アーカイヴの試作においては、特に出典研究を促進するためのツールとして、Googleが公開しているGoogle Booksに出現する単語についての膨大なデータであるGoogle n-Gram Datasetを利用して、VI.C.2に誤ったつづりで転記されている項目からもとのVI.D.1の項目を推測する方法を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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