2009 Fiscal Year Annual Research Report
シェイクスピアの道化を演じる-道化の役作りに関する日英比較研究
Project/Area Number |
20520250
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
阪本 久美子 Nihon University, 生物資源科学部, 准教授 (50319240)
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Keywords | 英文学 / シェイクスピア / 上演研究 / 異文化演劇 / 比較演劇 / 道化・笑い / イギリス・日本 / パフォーマンス・スタディーズ |
Research Abstract |
シェイクスピアの道化の役作りに関する日英比較研究を行うにあたり、本年度中はシェイクスピア時代の道化およびイギリスにおける上演の研究を集中的に進めることができた。シェイクスピアの主要な道化の登場するKing Lear、Twelfth NightおよびAs You Like Itの3作品を研究対象とし、イギリスの劇場で上演中の作品計4作および主な過去の上演作品のビデオ資料計21作をShakespeare Centre、Globe Theatre Library、National Theatre Archive、Victoria & Albert Museum Archiveにて閲覧した。これら上演に関する文献資料も収集し、最終年度における日本側の道化の役作りとの比較分析のまとめに向かって準備が整った。また、physical theatreと道化の役作りに関しては、Theatre de Compliciteの共同設立者であるMarcello MagniのアプローチをKing Lear、The Merchant of Venice、The Comedy of Errors、Periclesにて検証し、現代の舞台における道化の表象の可能性も明らかになってきた。収集した資料は著書として出版するだけの量になったと考えるが、さしあたりMagniに関する論文、Royal Shakespeare CompanyのTwelfth Nightに関する論文、前年度に研究した日本のKing Learの上演作品も踏まえたうえで、上演における道化の退場の解釈、劇全体との関係を論じた論文を執筆中である。
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Research Products
(2 results)