2010 Fiscal Year Annual Research Report
バーナード・リーチと民藝運動に関する比較文化的研究
Project/Area Number |
20520320
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
鈴木 禎宏 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (80334564)
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Keywords | バーナード・リーチ / 民藝運動 / スタジオ・クラフト / 対抗産業革命 / 工芸 / 比較芸術 / 比較文化 / イギリス |
Research Abstract |
研究計画に従い、平成22年度は「対抗産業革命」の理論形成と実践という観点から、バーナード・リーチと民藝運動について研究した。 今年度の成果は、イギリスでのリーチの活動及び日本の民藝運動を、当時の植民地・朝鮮という文脈から考察したことである。日本の「外地」におけるリーチと柳宗悦の交友関係(浅川伯教、巧兄弟など)や活動(朝鮮民族美術館での展覧会など)を追うことにより、彼等の主張の根拠と志向性を見直し、ひいては「対抗産業革命」という20世紀の文化運動が帯びる政治性について考察を深めることができた。こうした成果を第19回国際比較文学会で発表した。 一方で、岡山県倉敷市におけるリーチと民藝運動の研究を継続した。特に、前年度までに行った大原美術館所蔵のリーチ作品の調査をふまえ、その分析を集中的に行った。その結果、リーチの芸術の展開、コレクションの形成過程や、大原家によるリーチ及び民藝運動に対する支援の実態が、さらに具体的に判明した。これはまた、「対抗産業革命」の試みに対する支援が、大原総一郎という実業家によってなされたことの特異性を明らかにした。 上記のように「対抗産業革命」の理論形成に関する見通しが広がり、民藝運動の実践に関する分析が進んだ。研究計画では両者を結びつけ、さらに分析を行う予定であったが、残念ながらその成果を公表するには至らなかった。今後の課題としたい。
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Research Products
(1 results)