2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520386
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
福田 哲之 Shimane University, 教育学部, 教授 (10208960)
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Keywords | 漢字 / 古文字 / 竹簡 / 楚簡 / 上海博物館蔵戦国楚竹書 |
Research Abstract |
本年度は、戦国簡牘資料の整理・分類を中心に研究を実施し、楚簡を中心に現地性文献と見なされる[文書類]と現地性文献と非現地性文献との両者を含む[書籍類]とに区分し、両者の比較を試みた。この作業は引き続いて次年度においても進めていく予定であるが、これまでの分析を通して、[書籍類]のなかに[文書類]および他の[書籍類]の諸篇との間に異質な形体を示す一群の文献が存在することが明らかとなった。 一方、楚の領域における文字の実態を把握するために、現地性文献のうち楚王室に関わる内容をもつ、『荘王既成・申公臣霊王』『平王問鄭寿』『平王与王子木』の字体について、詳細な分析を加えた。その結果、これまで異説が並立して実証の段階に至っていなかった、竹簡の排列や各篇の編成について、字体の面から明確な根拠を提示することができた。 これらの成果の一端は、台湾で開催された国際学会で報告するとともに、「別筆と篇題-『上博(六)』所収楚王故事四章の編成-」と題する論文にまとめ、学術誌に発表した。さらに広範囲への発信を意図して、論文の中文訳を武漢大学簡帛研究中心「簡帛」インターネット(http://www.bsm.org.cn/)に発表した(2008年11月15日掲載)。 また2008年12月に刊行された『上海博物館蔵戦国楚竹書(七)』所収の文献について、初歩的な検討を試み、その一端を「《上博七・武王践〓》簡6・簡8簡首缺字説」と題して、武漢大学簡帛研究中心「簡帛」インターネットに発表した(2009年3月24日掲載)。
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