2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520394
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
船津 誠也 Prefectural University of Hiroshima, 学術情報センター, 助教 (30275383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 敏 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (80122018)
林 良子 神戸大学, 国際文化学部, 准教授 (20347785)
藤本 雅子 国立国語研究所, コーパス開発センター, 非常勤研究員 (30392541)
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Keywords | 母音無声化 / 識別力 / 刺激呈示間隔 / EMA / 調音運動 / 調音結合 / 脳内統合 |
Research Abstract |
異音である無声化母音と非無声母音の識別は、無声化方言話者(関東地区出身者)の46.3%が可能、非無声方言話者(中国地区出身者)の41.2%が可能であるとの結果が得られた。すなわち識別可能話者は、方言に関わらず50%未満であった。この結果は我々の予想よりかなり低かった。さらにこの結果は、刺激提示間隔等の実験条件により生じたものではなく、実験条件を変化させてもほぼ同じ結果が得られ、日本語母語話者の無声一非無声母音識別力は我々の予想よりかなり低いことが明らかになった。刺激呈示間隔の変化、すなわち、短間隔では音響的識別、長間隔では音素的識別、中間間隔では音声的識別が生じるとするWerkerらの説とは異なる結果が得られた。半分程度の被験者においては脳内統合処理が行なわれているが、残りの被験者においては統合されていない可能性が示唆された。さらに、発話の面からEMAによる調音運動の計測も行ない、日本語母語話者は、子音間の調音結合が、ドイツ語母語話者よりも弱い可能性が示唆された。発話時において脳の調音動作制御についても検討する必要があるのかもしれないと考えられた。
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