2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520412
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岸江 信介 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (90271460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 精一 富山大学, 人文学部, 准教授 (90303198)
佐藤 高司 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (80390409)
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Keywords | 方言 / 都市言語 / 言語接触 / 新方言 / 言語変化 |
Research Abstract |
大都市が地域言語に及ぼす影響、また、この影響による地域言語の変化の様子、すなわち、地域言語の形成への大都市の言語の関わり方を調べ、究明することを本研究の目的とした。 日本の地域言語研究は、各地の伝統方言を対象とした研究から新しい変化によって生じた言語事象をテーマとした研究まで様々なアプローチがなされている。その方法も記述的研究をはじめ、地理的研究、社会言語学的研究など幅広く行われ、地域言語の分析のみならず言語変化の要因を探る試みなど、バラエティに富んでいるといえる。当研究では地方都市の地域言語を研究対象として近隣の大都市圏による影響を考慮し、地域言語の形成への大都市の言語の関わり方、またその言語変化の様相について考えた。地方での言語変化には全国共通語化といった共通した要因が考えられる一方、近隣の大都市からの影響や各地の都市でそれぞれ別個に発生したと思われるものなど種々の要因が考えられる。これらの点に着目し、以下の目的を設定した。(1)東京・大阪・名古屋などの大都市圏の言語と地域言語との接触の実態を把握し、その影響を探る。(2)地域社会における社会構造の変化を考慮し、地域言語変容の要因を解明する。(3)言語変化の要因を分析し、地域社会の言語形成のメカニズムを解明する。 以上三点を達成するために大都市の比較的近辺に位置する地方都市での言語調査を通して、その影響の検証調査を行った。東京に近い都市として群馬県前橋市を中心とした各都市、名古屋に近い都市として岐阜県大垣市、大阪に近い都市として徳島県徳島市、そして、特に名古屋や大阪から影響を受けやすいと思われる富山県富山市の4つの地方都市を選定し、言語調査を実施し、全国共通語化とは異なる言語変化が地方都市では着実に進んでいることを報告、大都市の言語が地方都市の言語形成に影響を及ぼしているという事実を明らかにした。
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Research Products
(8 results)