2010 Fiscal Year Annual Research Report
九州新幹線開通と市町村合併にともなう九州方言の変容
Project/Area Number |
20520425
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
村上 敬一 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 准教授 (10305401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 整 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (60221470)
太田 一郎 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (60203783)
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Keywords | 社会言語学 / グロットグラム / 熊本方言 / 福岡方言 / 佐賀方言 / 肥筑方言 / 筑後方言 / 九州新幹線 |
Research Abstract |
今年度は、9月に熊本県荒尾市と福岡県大牟田市、久留米市で調査を行うべく、春より準備に取りかかった。先行研究を踏まえ、調査票には熊本北部、福岡南部(筑後)方言の独自性、九州方言の均一化(福岡方言化)、全国共通語化などを明らかにするための項目を網羅すべく、三者で協議を重ねた。予定通り、8月から12月にかけて、上記の3市の活躍層と荒尾高校、三池高校、久留米高校の生徒を対象に、面接およびアンケート調査を実施することができた。並行して、12月には佐賀県鳥栖市の活躍層と鳥栖高校生とを対象とした調査、12月半ばには福岡県立城南高校での調査、1月から3月にかけて福岡市民を対象とした調査を実施することができた。3年間で九州新幹線沿線の11地点で、700名余の方々に調査できたことになる。現在分析を進めている荒尾と大牟田の調査結果を概観すると、両市の人的交流が、当該方言の均一化を支えていると思われる事例がみられる一方で、熊本方言と筑後方言の違いも浮かびあがるなど、言語一般の変化・接触・干渉・融合などのメカニズムを理論的に解明するための重要なデータを得ることができた。久留米と鳥栖の結果も、筑後方言と肥前方言の均一性と多様性を明らかにする興味深いものとなることが期待される。3年間の結果と概略については、手直しを加えてできるだけ早い段階の公開を自指している。21年度は北部九州の調査も加わり、調査実施にもっとも比重がかかる。調査票作成のための基礎資料を丹念に収集するなど、その準備も怠りなく進めることができた。
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Research Products
(1 results)