2010 Fiscal Year Annual Research Report
文法標識付き史的英語コーパスを利用した結果構文成立過程に関する研究
Project/Area Number |
20520454
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
神谷 昌明 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 教授 (40194980)
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Keywords | 結果構文 / 小節 / PPCME2 / KWIC / コンコーダンス / 中英語 / 文法標識 / 古英語 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は初期近代英語コーパス、PPCEME(the Penn-Helsinki Parsed Corpus of Early Modern English)を利用して、初期近代英語に現れる小節を検索し、その中に結果構文が存在するかどうか検証することであった。中英語以降生産的になったと言われる結果構文が、初期近代英語コーパスPPCEMEでは1例しか見つからなかった。小節に関してはPPCME2と同じコーパスデザインであるが、PPCME2では31例の結果構文が検出され、PPCEMEでは1例のみである。PPCEMEに本当に結果構文が1例のみしか存在しないのか問題が残る。text fileを全て通読し、結果構文を検出する初歩的な方法があるが、膨大な時間を有するため、検索方法を変えて再度検索する必要がある。さらに別の問題点として、下記(1),(2)のような前置詞句や不変化詞が結果述語になる結果構文を小節のタグ[IP-SMC]では抽出することができない。PPCME2と同様にPPCEMEにおいても(結果)述語を表すタグは名詞(句)、形容詞(句)、分詞であり、小節[IP-SMC]の内部構造に、結果述語になりうる前置詞句、不変化詞が設定されていない。特に(2)のような不変化詞を含む結果構文をコーパスから抽出すことが必要である。その理由は、結果構文は小辞構文(動詞不変化詞結合・句動詞構文)と密接な関係があるからである。さらに小辞構文は古英語の動詞接頭辞構文から発達した構文である。動詞接頭辞構文を結果構文の成立過程と有機的に結びつけることが肝要であることを本研究で再認識することができた。3年間の研究を通して、結果構文成立過程解明のための基礎資料を提供することができた。 結果構文:(1)He broke it into pieces.(前置詞句)(2)John blew the candles out.(不変化詞) 小辞構文:(3)The smoke went up.(4)He blew the candles out.(結果構文)
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