2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者の異文化間コミュニケーション能力の育成:方略指導と効果の検証
Project/Area Number |
20520496
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
泉 恵美子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (10388382)
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Keywords | 英語教育 / コミュニケーション方略 / タスク / 異文化間コミュニケーション / アジア人英語学習者 / 非言語コミュニケーション / 会話分析 / 拒否・反対意見表明 |
Research Abstract |
本研究では、英語学習者が英語を用いてオーラルコミュニケーションを行う際に、どのような問題に遭遇して、コミュニケーションが挫折するのか、またどのような方略(CS)を用いて問題の修復を図ろうとしているのかに焦点を当て、質問紙、ビデオや録音によるブロトコルと会話を分析することで解明し、その特徴を探ることを目的とした。また、英語母語話者との異文化間コミーニケーションにおいて、日本人英語学習者とアジア人英語学習者ではどのように方略が異なるのかを、会話交替などにも注目しながら考察を行った。更に非言語的方略にも焦点を当て、コミュニケーションの特徴を明らかにすることを目的とした。 本年度は、中国の生徒によるアンケート調査を実施すると共に、日本人並びに中国人、タイ人、ベトナム人と英語母語話者との英語による会話やコミュニケーションタスクの様子をビデオに録画し、コミュニケーションの特徴を分析し、コミュニケーションの挫折とその修復方法について探った。また、異文化間コミュニケーションにおいて、コミュニケーション上の問題になりやすい言語機能である拒否や反対意見表明を取り上げ、どのような方略を用いるのかを大学生を対象にアンケート調査を実施し、分析を試みた。 その結果、言語能力や学習者要因、コミュニケーションスタイルも関係するが、文化による差も観察された。更に、手や身振りなどのジェスチャーや相槌、溜息など非言語的特徴が、言語の不十分さを補完していることも観察された。またその後のインタビューにより、挫折と修復、成功に導くメカニズムを探ることを試みた。 研究成果は国内外の学会で発表を行った。同じEFL環境にあるアジア人英語学習者とのCS使用や、拒否・反対意見などの言語機能の使い方の比較、日本、タイ、中国の小学生から大学生にいたる大規模なCSに関する調査などを実施することができたのは意義があったといえる。
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Research Products
(7 results)