Research Abstract |
専門語学教育としてのロシア語教育改善-効果的カリキュラム作成の重要な鍵となる到達度評価制度構築に向け「国際基準」に準拠したロシア語総合試験開発・基盤整備の第2段階として, 1) ロシア連邦教育省主催ロシア語検定試験について,平成21年9月,10月の2回にわたってロシア・モスクワ(9月),サンクトペテルブルク(10月)において実施状況・問題点などの現地調査・情報収集を行った. 2) (1)の調査結果及びこれまでに蓄積した知見に基づき本学ロシア語専攻の教育システムに適合し得る「国際基準」準拠の総合試験開発作業を進めた.具体的には国際基準(CEFR基準)A1~B1の3段階レベルについて,文法・語彙,読解,聴解,作文,口頭発話の各技能領域試験第1次素案を完成,1年次第1期末,学年末,2年次学年末にそれぞれ試行テストを実施し,その結果の分析,検討,問題点の明確化を行った. 3) また,前年度のデータ分析結果等も踏まえ,本学ロシア語専攻独自レベルとしてA2-B1の中間レベル試験の開発の必要性を認識,特に目標言語環境のない地域で必要とされる技能の特殊性に注目し,高度な読解・翻訳能力養成のためのカリキュラム編成作業を行い,その到達度を客観的に測る技能試験を開発,2年次カリキュラムの再編成とそれに基づく具体的な授業活動を展開,第1期末に新規に開発した中間レベル試行テスト版を実施し,その結果の分析,検討,問題点の明確化を行った. 4) 前年度に行われた過去7年間のロシア語検定試験試行結果分析,学習者の技能別・問題内容別習得度と各年次教育カリキュラムとの相関性の調査・考察を含め,上記3点の実施状況,調査・分析結果について「研究成果報告書」としてまとめ,大阪大学大学院言語文化研究科より出版・公表.
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