2009 Fiscal Year Annual Research Report
英語リスニングでの閾値仮説とボトムアップ処理:高周波音域弁別と子音聞き取り能力
Project/Area Number |
20520506
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
東矢 光代 University of the Ryukyus, 法文学部, 准教授 (00295289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞邊 一近 日本大学, 大学院・総合社会情報研究科, 教授 (80209676)
石津 希代子 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 講師 (10446180)
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Keywords | 高周波音声 / リスニング / 英語 / カテゴリー知覚 / ボトムアップ処理 / 子音弁別 |
Research Abstract |
今年度は、(1)英語のリスニングにおいて「高周波音域の聞き取り」を問題としている市販の学習法・教材が立脚する、「英語は子音中心の言語であるため、その聴解は高周波音声の聞き取りを必要とする」とする説明は、問題を単純化・一般化しすぎである、(2)高周波の音声素性がリスニングのボトムアップ処理に影響を及ぼしている可能性は極めて高い、という初年度の知見を踏まえ、どのような「高周波音声の聞き取り」がリスニングに影響するかについて検討した。音声学の文献からは英語子音の弁別において、周波数域の違いが手がかりになるもの、遷移が手がかりになるもの、包絡が手がかりになるもの、と弁別される子音によって手がかりが異なることがわかり、高周波音域のみを手がかりとする子音弁別としては、/1/一/r/の知覚の測定が最も妥当であるという結論に達した。そのような結果を受け、測定すべき下位の聴解能力として、(1) 日本人が英語を聞くとき苦手とされる2000Hz前後の純音の弁別、(2)高周波音域のF3がカデゴリー知覚を左右する/1/-/r/弁別について「周波数帯」と「時間分解能」の物理的特性による語彙の同定、の2つに絞り、プログラムの作成に着手した。この2つのプログラムと習熟度の関係を明らかにすることにより、英語リスニングに対する高周波音域の聞き取りの寄与を、より科学的に検証できると考える。現在プログラムは修正および作成の途中であるが、次年度はデータ収集と分析に入る予定である。
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Research Products
(2 results)