2008 Fiscal Year Annual Research Report
否定極性表現と数量詞表現の習得プロセス及び学習可能性に関する研究
Project/Area Number |
20520523
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Research Institution | Takachiho University |
Principal Investigator |
松谷 明美 Takachiho University, 人間科学部, 教授 (60459261)
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Keywords | 生成文法 / 第2言語習得 / 第1言語習得 / 統語論 / 意味論 |
Research Abstract |
不定代名詞「誰・何」+助詞「も」によって構成される否定極性表現に関して、不定代名詞と助詞が結合した場合(例えば、「誰も来なかった」)と、分離した場合(例えば、「誰が来もしなかった」「太郎は誰が来るとは思いもしなかった」)は意味解釈が異なること、つまり、これら2つは異なった語彙項目(否定極性表現と数量詞表現)であることを検証した。そして、これらを含む文が生成される音韻・意味・統語のレベルの接点(インターフェイス)でのプロセスを構築することに取り組んだ。 具体的には、神谷正明氏(海外共同研究者・米国ハミルトン大学)の協力を得て、東京(高千穂大学・松谷担当)と京都(同志社女子大学等・松谷&神谷担当)の2箇所において、音韻特性と容認度の関係を調べるための音声分析装置Praatを用いた聞き取り調査、およびコンテクストと容認度の関係を調べるための記述式調査を7月から1月にかけて、各2回合計4回にわたり実施し、それらのデータ分析することを通して、音韻上の特性がどのように意味解釈・容認度に影響を及ぼしているか、またコンテクストもどのように意味解釈・容認度に影響を及ぼしているかを考察し、言語習得の実験の基盤となる理論上の枠組みの構築を試みた。 途中経過を「SPEC-Head Agreement or AGREE: Case in Point in Japanese NPIs」としてXVIII Colloquium on Generative Grammar(2008年4月18日・University of Lisbon)にて発表し、また、トルコ語の否定極性表現に応用することで「Negative and Universal Quantifiers in Turkish」をMediterranean Syntax Meeting II(2008年10月17日・Bogazici University)で発表した。
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Research Products
(2 results)