2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520524
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
若林 茂則 Chuo University, 文学部, 教授 (80291962)
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Keywords | 第二言語習得 / 日本人英語学習者 / 複合名詞句 / 派生形態素 / 語順 / 屈折形態素 / 不規則形 / 産出タスク |
Research Abstract |
本研究では、複合名詞について、語順、派生形態素、屈折形態素に関わるデータを収集し日本語話者の英語中間言語文法の特質を明らかにする。本年度実施したのは以下の通り。 1.言語理論並びに第二言語習得研究に関する文献研究。Alexiadouほか(2007)など名詞句分析に関する文献、Cunnings(2008)などの第二言語習得研究の文献研究を進めている。 2.データ収集のためのマテリアルの作成。PowerPointを用いて、絵・音声・文字のコンピュータ提示によるマテリアルを作成した。実験参加者向け説明文書を作成した。 3.第二言語学習者を対象としたパイロットテスト。数人の日本語話者からデータを集め、実施可能性を確認しマテリアルの調整を行った。日本語話者は関係節を使用する傾向があること、ならびに、初期の段階では、特にNV-erの形ではなくNV-ing man/personなどの形を用いる傾向が明らかになった。 4,母語話者(統制群)からのデータ収集。先行研究同様、母語話者はNの複数形の種類によって、使用される形が異なる。たとえば、Nの複数形が-sを用いて表される時、刺激の中に出てくるNで表わされるモノが単数の場合はN(単数)+V-erの形を88%の母語話者が産出する。複数の場合でも84%が同形を産出し、複数形(例students)を用いたV(複数)+V-erはほぼ産出しない。一方、Nが不規則複数の場合(例children)は、刺激中のモノが単数の場合は同様だが、複数の場合はN(単数)+V-erを55%、N(複数)+V-erを32%の実験参加者が産出した。今後、同様に実験を英語の習熟度の異なる日本語話者に対して実施する。
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Research Products
(4 results)