2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520537
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
朝尾 幸次郎 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (40102462)
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Keywords | 英語 / ライティング / 熟達度 / プロファイル / コーパス |
Research Abstract |
日本人英語学習者の書く英語の特徴について語彙を中心とした調査を行った。センテンスあたりの単語の数を見ると、熟達度だけでなくトピックにより大きな違いが見られる。ライティングの熟達度はセンテンスごとの語数が基本的な指標になるものの、それはトピックに大きく影響されていることがわかる。この点で、トピックを与えて自由英作文を課すライティング試験の結果の解釈には配慮が必要である。しかし、T-unitあたりの単語数はトピックにはあまり影響を受けない。これは。T-unitは文レベルにおける表現面での成熟度を示すものだからであろう。 トークン、レンマの頻度にもトピックの影響が強く現れる。これは3-gram、4-gramの語連続についてみても同様である。一般に学習者の書く英語は母語話者のものと比べてタイプ/トークン比が低い。その特徴はなじみのないトピックの場合には増幅されて現れる。3-gram、4-gramの語連続についても頻度上位の項目が極端に多く出現する。 トピックの違いは文章のスタイルにも影響を与えている。なじみのあるトピックでは意見、感想がその内容となることが多い。これに対し、なじみのないトピックでは意見や感想はあまり現れず、解説文的色彩が強くなる。 学習者のライティング熟達度を測るにはセンテンスあたりの語彙数、繰り返しの頻度など、表に現れた性質を機械的に見ていくだけでは不十分である。どのようなトピックについて書かれ、それが書いた人にとってどれだけなじみがあるかを考慮しないと、センテンスあたりの語彙数、頻度数の意味を正しく解釈することはできない。
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Research Products
(1 results)