2009 Fiscal Year Annual Research Report
電子辞書に依存する英語学習者のネガティブワードアタックとその矯正プログラムの開発
Project/Area Number |
20520547
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
淺間 正通 Shizuoka University, 情報学部, 教授 (60262797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 裕晃 静岡大学, 情報学部, 教授 (40221569)
山下 嚴 中京女子大学, 人文学部, 准教授 (70442233)
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Keywords | 電子辞書 / ワードアタック / 未知語推測 / 辞書引き / 自律修正 |
Research Abstract |
本年度前半は、各メーカーから市販されている電子辞書の現物およびカタロクをとりそろえ、その実際を解明する調査を広域的に実施した。その結果、従来より電子辞書と呼ばれているものが、昨今著しく多機能化し始め、コンテンツの多彩さ・豊富さからマルチツール化し始めている特徴が浮き彫りとなった。そこで次に、英語学習機能において調査してみると、受験モデル、語学学習モデル、趣味モデル、一般モデルなどと謳ってリスニング機能を増強したり、ビジュアルインプットの側面を強調したり、さらにまた英語模擬テスト搭載の実践力アップを念頭においたりと、各種電子辞書メーカーによる他社との差異性を意識したアピール度が散りばめられていることが明らかとなった。しかし、前述したマルチツール化、すなわちワンセグ機能、ゲーム機能、通信機能などとの関連コンテンツの配列から、電子辞書本来のユーザビリティに複雑性が加味されたものも少なくないことが判明し、あらためて未知語入力→検索→英文用例一覧→選択→語義提示→確認の流れのもとに未知語検索が行われるべき配列を検討することとした。そして、年度後半は、英語学習者の未知語処理に対するワードアタックが電子辞書を活用した場合にはネガティブに作用している現実をより確固たる事実として突き止めるために、全国の知人の英語関係者に依頼し、高校および大学において広く実験を執り行った。その結果、印刷体辞書を用いた場合の未知語処理よりも、電子辞書を用いた未知語処理の方が、用例参照度が極めて低いことが判明し、と同時に多義語表出時のワードアタックに困難を抱える学生が多いことを突き止めた。いわゆる、文脈逸脱の現象が電子辞書ユーザに多いことが明らかとなり、本研究の最終年度となる22年度においては、具体的にそれらの問題を解決するための自律矯正プログラムづくりが研究の集大成として必要となることを確認した。
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Research Products
(4 results)