2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520581
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
相良 英輔 Shimane University, 教育学部, 特任教授 (70124071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 亮 島根大学, 法文学部, 教授 (40191275)
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Keywords | たたら製鉄 / 砂鉄 / 鉄穴(かんな) / 銑(ずく) / 〓(ケラ) / 鋼(はがね) / 生産と流通 / 山内(さんない) |
Research Abstract |
本年度はまず、史料調査として田部家の研究を単に田部家史料のみのたたら経営分析に終わらせることにならないようにし、あくまで全国的な視野でたたら経営の分析を進めていくために、県外史料調査も積極的に行っていった。まず、たたらの需要が幕末に急激に増大していったこと、たたら経営者はこの時期、生産規模を拡大していき、大きな利益を得たことがほぼ実証できたので、たたら製鉄の需要増大の理由を明らかにしていくため、幕末の政情不安のなか、反射炉を作り、軍事的に近代化を推進していった薩摩藩に注目し、鹿児島県立図書館などへ調査に出かけた。今後もこの調査は続けたい。 次に、全国のたたら研究者との意見交換のため、福島県白河市でのたたら研究会大会にも参加した。そして、東北地方のたたら生産についても調査を進めた。 さらに、今まで写真撮影してきた史料の整理と翻刻作業を推進していき、主な史料については、表に整理し、若干の分析も試みた。その成果として、他の研究者の協力も得て、相良英輔編著『松江藩鉄師頭取 田部家の研究』(松陽印刷、193頁)を出版し、筆者論文「田部家の由来とたたら製鉄業の展開」(1〜32)も所収することができた。 一方、田部家のみならず、松江藩の他の鉄師の研究も比較検討のため、進めていった。特に、神門郡田儀(現、出雲市多伎町宮本)の田儀櫻井家は田部家につぐ大規模鉄師であり、この田儀櫻井家の史料翻刻作業を他の研究者と進め、出雲市教育委員会から『田儀櫻井家たたら史料と文書目録』を筆者の監修で出版していただいた。そして筆者の論文「田儀櫻井家たら史料についての紹介と若干の分析」を所収させていただいた。
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Research Products
(3 results)