2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520606
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
寺嵜 弘康 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 専門学芸員 (80250231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹治 雄一 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (50342944)
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Keywords | 横浜正金銀行 / 川島忠之助 / 貿易金融 / リヨン / ボンベイ |
Research Abstract |
前年度に引き続き、川島忠之助資料の書簡で残った第2冊目の後半と、第3冊目全部の筆耕作業を実施した。前者は明治26年7月から同28年3月までの横浜正金銀行リヨン出張所時代のもので、後者は明治31年2月から32年3月までのボンベイ(現ムンバイ)出張所時代の書簡である。いずれも同地から頭取や支配人、支店行員ならびに親族知人などに宛てて発信したコピーレターで、これまでに3冊合計で619通を数える。筆耕した書簡からは、(1)インド綿の為替が主張業務であったボンベイ出張所の資金調達の状況、(2)海外支店とりわけ欧州におけるロンドン支店の役割について興味深い点が判明した。また、私的な書簡も多く含まれており、妻の急病のために本店の許可を得る前にリヨンから急遽帰国したことや、ボンベイ勤務が川島にとって望まぬ赴任であったことと、日本に残した幼女の養育に気遣いを見せるなど川島の教育観もうかがえる。 一方、横浜市史資料室からは、アメリカ国立公文書館所蔵横浜正金銀行ニューヨーク支店書類のマイクロフィルムの閲覧と複写を許され、明治13年から22年まで本店がニューヨーク支店に送付した外国貿易為替関係の通信内容を把握することができ、リヨン出張所への通信内容を確認する手立てとなった。また、川島の資料を博物館内横浜正金銀行コーナーでの展示や、創立当初の正金銀行の職制と行員について論文をまとめ、研究成果の一部を紹介した。
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Research Products
(1 results)