2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520618
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
木村 誠 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (40094263)
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Keywords | 『三国遺事』 / 書誌データ / 中宗壬申刊本 / 古刊本 / 韓国 / ソウル大本 / 晩松文庫本 |
Research Abstract |
本研究は、朝鮮古代史研究における基本文献の一つである『三国遺事』を総合的に調査・研究することを目的とするものであり、今年度も諸版本の調査に重点をおいて研究を実施した。実施した調査の内容は以下の通りである。 1、韓国ソウル大学校中央図書館本の調査・・・前年度に引き続き原本について書誌データを採取した。 前年度に採寸が不可能であったデータについて、原本にあたって調査した。これでソウル大本の原本調査が完了した。 2、高麗大学校晩松文庫本の調査・・・原本に当たって調査した。そのためこれまで複写本でしか行えなかったデータについても採取が可能となった。これで晩松文庫本の原本調査が完了した。 3、韓国東国大学校金相鉱教授所蔵の複写本(泥山本、趙鍾業本、ソウル大本、今西本、晩松文庫本)からのデータ採取を前年度に引き続いて行うとともに、問題点を分析した。 4、版本調査と並行して『三国遺事』本文の校訂・訳注作業を進めた。平成24年度中もしくは25年度前半に第1巻を出版する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
版本調査においてはソウル大学校中央図書館本と高麗大学校晩松文庫本の原本調査を終えることができ、分析の基礎を一層確かなものにすることができた。訳注作業も、わずかずつではあるが進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度にあたるので、今後は、これまで得られた書誌データの分析を集中的に行い、諸版本の関係について一定の見通しを得たい。とりわけ古刊本と中宗壬申刊本の関係を具体的に明らかにする予定である。また、校訂・訳注作業は1~2年以内に刊行する目途がついているので、確実に作業を進める。本研究で最も作業が遅れているのが『三国遺事』の記事分析であり、この点については多くを今後の課題とせざるを得ない。
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