2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520618
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
木村 誠 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (40094263)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 『三国遺事』 / 中宗壬申刊本 / 古刊本 / 古典刊行会本 / 武者錬三氏蔵本 / 朝鮮古蹟研究会 / 六堂文庫本 |
Research Abstract |
最終年度にあたり、まず天理大学において同図書館所蔵『三国遺事』の版本調査を行った。調査では原本の状態確認と他の版本との比較、さらには天理大学本の影印本(古典刊行会本)との比較を行った。その結果、古典刊行会本には原本の文字を改めている個所がいくつかあることが確認された。今後、古典刊行会本等の影印本の使用にあたっては、文字の異同に細心の注意を払う必要がある。 次に韓国において、高麗大学校所蔵『三国遺事』とソウル大学校所蔵『三国遺事』の版本調査を実施した。高麗大学校では同中央図書館所蔵の六堂文庫本と晩松文庫本の原本を調査した。晩松文庫本はすでに数回にわたり原本を閲覧しているので、今回はこれまでの調査結果を踏まえ、問題となる個所の確認を中心に調査を実施した。これに対して六堂文庫本の原本調査は今回初めて許可されたものであり、原本から書誌情報を直接収集することができた。またソウル大学校では、奎章閣所蔵本について、これまでの調査結果を踏まえた補足的調査を行った。 最後に韓国国立中央図書館において、『三国遺事』王暦の写真22枚と古典刊行会本(影印本)を閲覧・調査した。前者はすでに紹介されているように、中宗壬申刊本の王暦5~15張を1939年に朝鮮古蹟研究会が写真撮影したものである。記録には「武者錬三氏蔵本」とあり、他版本との比較検討など、より詳細な検討が必要である。後者は広く流布している影印本であるが、古刊本『三国遺事』(宋錫夏本、李秉直本)と対校した結果が朱書されている。古刊本と中宗壬申刊本(天理大学本)との対校結果は、宋錫夏本と李秉直本の筆写本にも頭注として記されているところであり、注目される。 なおこうした版本調査と並行して『三国遺事』の校訂・訳注作業を進めており、来年度以降の刊行を目指して原稿を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)