2010 Fiscal Year Annual Research Report
近代における国境線の画定と島嶼の帰属にかんする東南アジアの事例研究
Project/Area Number |
20520620
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
早瀬 晋三 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20183915)
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Keywords | 国境線画定 / 島嶼 / 海域 / 東南アジア / 空間 |
Research Abstract |
本研究目的の直接的な背景には、竹島(独島)や尖閣列島(魚釣台)の例にみられるように、近年、海底資源や漁業資源などの開発をめぐり、無人島を含む島嶼の領有権が国際的な問題になっていることがある。本研究では、19世紀から20世紀にかけての国境線画定時に、これらの島嶼の帰属がどのように扱われたのかを考察するための事例研究をおこなう。 本年度は、イギリス東インド会社文書やイギリス議会文書を整理、考察した。ロンドンの公文書館(National Archives)には、現在Public Record Office(PRO)が含まれ、キューにある文書館には、英領マラヤを管轄した植民地省のほか、外務省、商務省、海軍省、インド・ビルマ省(1937年にビルマ省独立)などの文書があり、今回のテーマに直接関係のある資料が多く所蔵されている。また、英国図書館(British Library)には、Oriental and India Office Collectionsがあり、イギリス東インド会社文書や航海記録などが保存されている。これらの文書から、イギリス人が認識した東南アジアの人びとの領域概念を探った。本研究に関係する文書は、国内にも所蔵されている。たとえば、イギリス議会文書が京都大学、アメリカの公文書館文書の一部が国会図書館に所蔵されているほか、それぞれ印刷・刊行されたものが一部あるため、それらを利用して研究を進めた。東インド会社「マカッサル商館文書」を翻刻し、論文を発表した。 あわせて、研究分担者になっている「一九一二〇世紀転換期における「戦争ロマン」の表象についての比較文化史的研究」(平成21~23年度、基盤研究(B)、研究代表者:京都大学人文科学研究所山室信一教授)で、理論的な考察をおこない、マクロな視点とミクロな視点の両方から考察を進めた。
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Research Products
(4 results)