2011 Fiscal Year Annual Research Report
ホームランド・ナショナリズムと国境地域の民族的マイノリティをめぐる考察
Project/Area Number |
20520638
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
川手 圭一 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50272620)
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Keywords | ドイツ / ポーランド / 民族的マイノリティ / ナショナリズム / 国境 / フォルク |
Research Abstract |
本研究は、第一次世界大戦後のドイツ・ポーランド間に新たな国境が引かれる中で立ち現れたホームランド・ナショナリズムをめぐり、これを、ドイツ人・ポーランド人の国境地域住民の側から分析・検討することを目的としている。 1ドイツ側におけるマイノリティ政策、民族政策に関する分析・検討 2ポーランド側におけるマイノリティをめぐる諸問題の検討 3ドイツ・ポーランド国境地域における住民の動向 本研究が主にフィールドとするのは、第一次世界大戦の終わりまでドイツ帝国領であったドイツ名でオーバーシュレージエン、ポーゼン、西プロイセンと呼ばれる地域である。これらの地域のかなりの部分が大戦後、新たに建国されたポーランド領となった。この地域では、新たにポーランド領となった地域に居住するドイツ人マイノリティ、またドイツ領内にとどまったポーランド人マイノリティをめぐる問題が政治的・社会的な問題となり、さまざまな運動が展開した。そのさい、これら住民にとっての「国民化」とはどのように生じたのか、民族・国籍の選択は具体的にどのような形でなされ、そこにはどのようなナショナル・アイデンティティがあったのかを、国境地域の住民の政治的・社会的行動の中から考察した。本研究においては、ドイツ人、ポーランド人に加え、さらにはユダヤ人やマズール人・カシューブ人といった「より少数派」の人びととの関係性も視野に入れた。必要な作業は、ドイツとポーランド双方の史料を使い、具体的な地域のなかで、よりミクロな視点から検討を行うことであった。
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Research Products
(2 results)